東武350型、休日だけ走る「昭和の長距離列車」

往年の名車の面影残し、鉄道ファンの人気の的

3編成並んだ東武鉄道の350型(記者撮影)

都心と日光・鬼怒川を結ぶ「スペーシア」や、3両の身軽な編成で連結・分割を自在にこなす新型車両「リバティ」など、さまざまな特急列車が走る東武鉄道。その中で、普段は週末にしか乗ることができない、ちょっとしたレア車両が存在する。土休日のみ運転の、日光方面への特急「きりふり」に使われる「350型」だ。

今春までは毎日運転の特急「しもつけ」(浅草―東武宇都宮)にも使われていたが、6月6日のダイヤ改正で同列車は廃止に。しかも新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月25日から6月5日まで運休が続いたため、350型が毎日走る姿は4月下旬で見納めとなってしまった。

だが、走る機会が減ったとはいえその姿は健在。懐かしい「昭和の長距離列車」の雰囲気を今に伝える存在だ。

「りょうもう」用車両を改造

350型は、伊勢崎線系統の急行「りょうもう」(現在は特急)用だった「1800系」を1991年に改造して登場した。

急行「りょうもう」に使われた1800系。350型はこの車両を改造した(写真:東武鉄道)

1953年から伊勢崎線で有料急行列車を運転していた東武は、1969年に専用の新型車両として1800系を導入。大きな窓に回転式のシートや飲料の自動販売機など特急並みの設備と、赤いボディに白のラインが入った鮮やかなカラーリングの車両は利用者らの人気を呼び、東武の名車として親しまれた。

1800系は、後継車の登場によって1991年以降「りょうもう」の運用から徐々に撤退。6両編成9本のうち4本が、6両編成の300型2本と4両編成の350型3本に生まれ変わった。

次ページ色濃く残る1800系の面影
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