怒りを我慢する人ほど「死亡リスクが高い」理由 阪神ファンほど血圧上昇しやすいという結果も

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なぜ「怒り」をためこむ人ほど病気になりやすいのか?(写真:プラナ/PIXTA)
感情と健康は切っても切れない関係です。特に「怒り」が心身に与える影響はかなり大きいとのこと。「怒りっぽい人ほど突然死しやすい理由」や「怒りを我慢する人ほどうつになりやすい理由」を福島県立医科大学医学部の大平哲也疫学講座主任教授が解説。新書『感情を“毒”にしないコツ』から一部抜粋・再構成してお届けします。

それまで元気だった人が、急に亡くなり周囲の人を驚かせることがあります。このような「突然死」の原因にはさまざまなものがありますが、その1つの要因が血管、つまり循環器系のトラブルです。

「怒りをためる人」ほど病気になりやすい

私の研究は「怒り」からスタートしました。その背景には怒りから高血圧になり、それが循環器疾患につながるのではないかという疑問がありました。実際に調べていくと、ストレスが体にどのような影響を与えるかについて研究、発表した雑誌がありました。

しかもとても古く、1939年の『Psychosomatic Medicine』という心身医療向けの雑誌です。そのなかで、「高血圧になりやすい人」を調べたところ、「怒りをためやすい人」であると書かれていました。つまり、私が思っていたとおり、怒りによる興奮は血圧を上げてしまうということです。

当然、血管系の病気である循環器疾患になるリスクも高くなります。また、私たちの研究グループでも「怒りと心血管疾患、循環器疾患との関係」について発表した論文があります(Tezuka K, et al. Psychosom Med, 2020)。

怒りの測定には、20問の質問に答えてもらって怒りのスコアを出し、怒りの強さを客観的なスコアとして出します。そのなかで、怒りと循環器疾患との関連を、都会と地方の田舎とで見ました。すると興味深いことに、都会でしか明らかな関係性が見られませんでした。

その理由は、おそらく都会のほうがストレスが高いということが影響しているのではないか、また都会のほうが人とのつながりが少ないことが影響しているのではないかと私たちは予想しています。

全循環器疾患で見ると、都会では怒りのスコアが高い人は、低い人に比べて1.87倍も病気になりやすいという結果になりました。

また、長い目で見ると、怒りは心臓病などとも関係が深いこともわかりました。最終的には、心筋梗塞や脳梗塞など血管が「詰まる」病気に強く関係していて、怒りが強い人ではそのリスクが2.9倍高かったのです。

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