怒りを我慢する人ほど「死亡リスクが高い」理由 阪神ファンほど血圧上昇しやすいという結果も
その理由として、「動脈硬化で脳の血管が詰まったり、血管が破れたりする」ことが挙げられます。実際、脳卒中になると感情失禁が起こる人が多くいます。脳卒中などで脳の感情をつかさどる脳の機能に障害が生じると、感情を抑制することができなくなってしまうのです。
感情がストレートに出るというよりは、コントロールが不能になる。一度怒ったら怒りっぱなしになる、泣いたら泣きっぱなしになるという状態になります。
また、感情をコントロールしたり記憶したり考えたり、もっとも人間らしいといわれる脳の部分に前頭前野があります。よくいわれているのが、髄膜腫(脳の髄膜にできる腫瘍)などの腫瘍が前頭前野にできると、性格が変わってしまうケースです。
真面目な人が急に「不真面目」になることも
例えば、前頭前野に腫瘍ができたことで、それまで厳格だった神父さんが、猥褻な言動をする人に変わってしまったという報告があります。
認知症によって前頭前野の機能が落ちてしまった方でも、真面目だった人が急に奔放になってしまった例なども聞きます。理性が働かなくなったり、道徳観念がなくなってきたりしてしまうようです。
脳卒中になる手前の動脈硬化の段階でも、感情失禁は起こるといわれています。ということは、最近妙に怒りっぽくなってきた方は、動脈硬化が起きている可能性があるともいえます。
例えば、元教員の男性で、以前はやさしい性格だったのに、急に怒りっぽくなった方がいらっしゃいました。MRI検査で調べた結果、脳内に多数の小さい梗塞(ラクナ梗塞)が見られました。
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