料理をやめた途端「認知症リスク」が急増する訳 「惣菜をパックのまま食卓に出す人」は要注意

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さらに、認知症グレーゾーンになると、よりいっそうブレーキが利かなくなります。今まで物静かだった人が急に怒りんぼうになったり、もともと怒りんぼうの人が、さらに怒りんぼうになったりする。ほんのささいなことでも腹を立てるようになります。周囲の人が実際にどう思っているのかは関係なく、よかれと思って声をかけてくれた人にまで怒りをぶつけるようになるのです。

親子だと、とくに感情がストレートに出やすくなります。娘さんが「お父さん、それ、間違っているよ!」と強めのトーンで言ったりすると、本人は否定されたという負の印象だけが残ります。言われた内容の良し悪しは関係なく、とにかく娘が自分をバカにして言い負かそうとしている、という思いが爆発し、暴力・暴言につながったりします。

あるいは、難聴気味の認知症グレーゾーンの人に大きな声で話しかけると、「大声で罵倒された」と怒りだすことがよくあります。「大声=怒られている」と勘違いし、そこから会話が成り立たなくなってしまうのです。

「性格が丸く」なっても認知症の可能性も

まれな例として、もともと怒りんぼうだった人が、変に丸くなる場合もあります。年を取って人格的に丸くなったのではなく、認知症による脳の変性によって性格が一変してしまった結果です。

認知症グレーゾーンになると、2つのことを同時に進行する「ながら」ができなくなります。たとえば、歩きながら重要な話ができなくなります。これは重要な話だと思うと、無意識に立ち止まって話そうとする。あるいは、歩きながら集中して聞くことができなくなるのです。

さらに症状が進むと、食事をしながら会話ができなくなります。自分がしゃべりたいときは、どうでもいい話でもピタッと箸を置いて話し出す。食べながらでもいいような話なのに、食べることと話すことを同時進行できなくなるのです。

本人は気づいていませんが、周囲の人が認知症グレーゾーンを見つける一つの判断材料となります。家族が異変に気づく手がかりとして、最もわかりやすいのは料理の変化です。食事をずっと作ってきた女性が、急に料理を作らなくなったり、料理の味付けがおかしくなったりした場合、認知症グレーゾーンの可能性が濃厚です。

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