「GoTo停止」の衝撃、ちらつくホテル特需の終焉 絶好調のリゾートホテルも浮かれていられない

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一方、十分な効果を享受できなかったのは、1泊1万円台など値頃感のあるホテル。京都ホテルでは、1万円台のプランを中心とする「からすま京都ホテル」の予約が厳しい推移だという。首都圏で数店舗を展開するホテルチェーンの社員は「ファミリー向けなどで単価が低めだと、GoToの恩恵は週末しかない。土日は盛況でも、平日は赤字になってしまう」と語る。

ビジネスホテル各社も苦戦を強いられている。「ワシントンホテルプラザ」や「R&B」を展開するワシントンホテルは、4~9月期の客室稼働率が14.1%(前年同期は79.1%)だった。臨時休業の影響もあるが、ウェブ会議やテレワークの普及で出張需要が急激に落ち込んだ。

加えて、音楽ライブをはじめとする大規模なイベントが中止・延期になったことで、観光・レジャー需要も取り逃がす結果になった。各社とも地方を中心に稼働率を持ち直しつつあるが、本格回復には至っていない。

忍び寄るGoTo特需の終わり

ホテルの業態や料金に関係なく、都市部は総じて苦戦ぎみだ。帝国ホテルでは、前述のように週末の高単価なプランは好調だが、平日の稼働率が低いことで、全体の回復が遅れている。旅の目的となるイベントが大幅に減っていること、コロナ感染を恐れる動きが原因とみられる。実際、東京の感染者数が増加した7~8月には横浜や大宮で稼働率が上昇するなど、如実に「東京回避」の動きがみられたチェーンもあった。

このように濃淡こそあれど旅行需要を強力に刺激したGoTo。これまで業界関係者の間では「3月まで延長される」、「結局、ゴールデンウィークまで続くのではないか」などと、2021年1月までの期限を延長するとの楽観論が多くを占めていた。実際、自民党はゴールデンウィークまでの延長を提言している。

ただ、今回の一部都市の除外で、「GoToの終わり」を改めて意識した関係者は多かったのではないだろうか。今は活況に沸くリゾートホテルも、割引が終われば足をすくわれる恐れがある。訪日客需要が見込めない間は、仮にGoToが終わっても、日本人観光客をどうにか取り込み続けるしかない。重要なのはGoTo後を見据えた集客策だ。

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