「GoTo停止」の衝撃、ちらつくホテル特需の終焉 絶好調のリゾートホテルも浮かれていられない

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この傾向は他社でも同様だ。プリンスホテルも、「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」などを展開する箱根エリアは11月、稼働率で前年を上回って推移している。中でも各客室が独立した構造を持つコテージタイプのホテルが人気だ。プリンスホテルでは、箱根をはじめ大磯、軽井沢などが早期に回復をみせ、近場から訪れる客を中心に好調に推移しているという。

客のニーズをつかんだ理由は、なるべく接触を避けて移動・滞在できるクローズ感のようだ。客はコロナ感染リスクを十分に考慮したうえで、宿泊先を選んでいる。業界関係者は「感染リスクが少なく、都市部から車で1~2時間と公共交通機関を使わずに行ける適度な遠さの観光地に人気が集中している」と口々に語る。

テレワークの普及が追い風に?

千葉県の「鴨川グランドホテル」もGoTo需要をとらえた。前身の旅館時代から天皇陛下がたびたび宿泊した名門ホテルで、風呂付き、部屋食のハイグレードなプランが人気だ。平日の予約も多く、11月の稼働率は9割超と絶好調。法人需要は大幅に減ったが、個人客の宿泊が増え、単価を高く保っている。

こうした都市部に近いリゾートが平日も高稼働で推移する理由には、「テレワークが増え休暇が取りやすくなっている。休暇と仕事を合わせたワーケーションのような形で利用しているのではないか」(業界関係者)といった指摘がなされている。

そのほか、帝国ホテルでは週末を中心に、8万円前後と高単価のプランが人気で、以前よりも若い年齢層の宿泊が増えている。都心ながら緑に囲まれ、喧噪から離れた点が特徴の「ホテル椿山荘東京」も2020年10~12月期の宿泊部門は前年を上回る見通しだという。GoToは割引率が50%で一定のため、利用者が「いつもは利用できない高いホテルに泊まろう」と考えるのは当然の帰結だ。

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