「GoTo全国停止」の衝撃、冬の観光業界に二重苦 菅首相発表、シーズンオフの需要に下振れ懸念

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コロナの感染が拡大する中、ついにGoToトラベルの停止が決まった(記者撮影)

「今はGoToの割引があるから客が来ているが……」「予約も多いが、キャンセル数も多い」――。

ホテル業界関係者から口々に懸念の声が聞こえていた中、恐れていた最悪の事態は突如やってきた。

菅義偉首相は12月14日、GoToトラベルキャンペーンを全国で一斉に一時停止すると発表した。停止する期間は12月28日から2021年1月11日まで。冬場に入ってからコロナの新規感染者数は日を追うごとに増加し、感染拡大に歯止めが効かない。

大きかったGoToの恩恵

「年末年始において、最大限の対策をとるため」(菅首相)一時停止せざるをえなかったようだ。年末年始の書き入れ時を目前にしての全国規模での停止となり、ホテル業界には大きな打撃となりそうだ。

GoToトラベルは緊急事態宣言が解除されて以降、壊滅的となった旅行需要を大幅に底上げしてきた。特に都市部から比較的近い高価格帯のリゾートホテルが活況に沸いた。軽井沢や箱根地域の多くのリゾートホテルが夏場から急速に回復し、前年実績を上回った。稼働率が9割超と過去最高を記録したホテルもあったほどだ。

多くのホテル・旅館で露天風呂付き・部屋食のプランが人気となり、他人との接触を避けて楽しめるグランピング施設にも家族連れが集中した。テレワークの定着なども背景に、平日の稼働率が上昇したホテルも多かった。

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