新卒採用、人事担当者が嘆く「ルールの形骸化」 早すぎる採用日程、旧態依然の経営陣にも不満

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ビートたけしは1980年代に、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というブラックジョークを吐いた。新卒採用もこれと同じで、みんなでルールを破っている。誰も守らない採用ルールは要らないと考えるのは、至極真っ当な反応だろう。

「採用ルールを誰も守らない」(情報・通信・301~1000人)

「国や団体がルールを定める必要はない。企業も学生も好きにすればいいと思う」(商社・流通・301~1000人)

「解禁の時期など形骸化しているのにいまだ残っていること、無意味だから撤廃すればよい」(サービス・301~1000人)

曖昧なルールを撤廃したほうがいいという声の一方で、厳格なルールの明文化を求める声もある。いずれの意見も現状の採用ルールを否定する点で共通している。

「就職協定がなくなったことで始まりと終わりがなく、混乱が起きている。また厳しく縛ってほしい」(商社・流通・301~1000人)

「採用ルールの明文化」(運輸・不動産・エネルギー・301~1000人)

“昭和”をひきずる経営層

インターネットは1990年代半ばから普及し、GAFAに代表される巨大なIT企業が生まれた。この25年でモノの買い方、生活の楽しみ方、学び方、人との連絡方法、そして生き方に大きな変化があった。しかし、多くの経営者はいまだに昭和の価値観を引きずっており、学生が属する世代の価値観を理解していないようだ。「学生とのミスマッチ」よりも、経営者のセンスのミスマッチが問題なのだ。

「経営層の思いに沿ったマネジメントをするのではなく、その世代に合ったマネジメントをしていかないと離職が増え、新規採用にも影響が出る」(情報・通信・1001人以上)

「現状に問題ないと思っている経営陣が多い。採用担当者の専門家が少ない」(運輸・不動産・300人以下)

「昭和のマネジメント・選考方法が続いている。新しい時代に合う方法に変えていくべき」(情報・通信・301~1000人)

コロナ禍によってやむをえず導入された「オンライン」もかなり大きなストレスになっている。オンラインでのコミュニケーションでは人物の見極めに自信が持てず、ミスマッチ(早期離職)が起こる確率が高いことを危惧しているのだ。学生からも「ほんとうの自分が伝わったかが不安」という声が目立つ。

しかし、リアル(対面)選考ならうまくいくのかというとそうではなく、問題山積。もはやオンライン選考の技術を磨くしかないだろう。「地方学生の参加増」「会社説明会の参加増」「採用業務の負荷低減」などのプラス効果はリアル選考では得られないものだ。

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