村上世彰がN高で語る「ニトリ、島忠TOB」の評価 高校生に対話を通じて株式投資の哲学を伝授

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物言う株主として知られる村上世彰氏は、「N高」投資部の特別顧問も務める(写真:N高等学校提供)
2020年10月30日、高校生の前にパソコンの画面越しで現れたのは、投資家の村上世彰氏だ。「物言う株主」として一躍有名となった村上氏は、最近もレオパレスや島忠のTOB(株式公開買い付け)をめぐる動きの中心人物として、話題を集めている。
そんな村上氏が力を入れるのが投資教育だ。2019年5月からはN高等学校の部活動の一つである「投資部」の特別顧問を引き受け、高校生に株式投資の指導を行っている(2019年度の講義は『村上世彰、高校生に投資を教える。』として書籍化)。投資部は村上財団より提供された1人20万円の資金を元手に、株取引をする。コロナ禍において、部員たちは何を考えて投資したのか。そして村上氏が語った投資のアドバイスとは何か。オンラインで行われた、村上氏と部員の面談の様子をお届けする。

売った株が急上昇、買い直すべきか

N高投資部部員(以下、部員):飲食のデリバリーの需要が、コロナ禍の中で高まっていると思います。現在はもちろん業績を伸ばしていますが、コロナ禍が終わって通常の状態に戻ったとしても、需要は高まり続けるのではないかと考えました。そこで株を買ったところ、すぐに株価は2~3割上昇し、私としては「一旦ここは売りだろう」と思って手放したのです。

ところが私の予想は外れて、株価は上がり続け、売却したときから約2倍の株価になってしまいました。その後、少し下落した場面で再び買い戻したのですが、このように一度売った株を、また値上がりしたところで買うことについてはどう思われますか。

村上世彰(以下、村上):良いと思いますよ。一度売った銘柄をまた買うというのは、その銘柄についてずっと考えていたということです。考えた結果、その会社の将来も考えたときに、株を持っておくべきだという結論になったのなら、それはそれでいいと思います。

ただ、その会社の将来性が良いと思って株を買ったのなら、もう少し長期的な視点で持ち続けても良かったかもしれないですよね。あなたはその株について、1000円台で買って、少し上昇したところで売ってしまったけど、その後3000円台になったわけだから、惜しかったなと思います。

将来性の良い株を見つけたとしても、どのタイミングで買ったらいいのか、どのくらい持ち続けたらいいのか、というのはそう簡単な問題ではありません。上昇したところで一旦売却し、下がったらまた買うという方法も悪いわけではありません。

投資のやり方には1つの正解があるわけではありません。自分にとって良い方法を経験の中から見つけていくことが大切で、そのために今経験を積んでもらっているということなのです。

一生懸命考えながら投資し、実際に投資した経験からいろいろ学んでください。そして、自分なりの投資のやり方を見つけてくださいね。

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