村上世彰がN高で語る「ニトリ、島忠TOB」の評価 高校生に対話を通じて株式投資の哲学を伝授
売った株が急上昇、買い直すべきか
N高投資部部員(以下、部員):飲食のデリバリーの需要が、コロナ禍の中で高まっていると思います。現在はもちろん業績を伸ばしていますが、コロナ禍が終わって通常の状態に戻ったとしても、需要は高まり続けるのではないかと考えました。そこで株を買ったところ、すぐに株価は2~3割上昇し、私としては「一旦ここは売りだろう」と思って手放したのです。
ところが私の予想は外れて、株価は上がり続け、売却したときから約2倍の株価になってしまいました。その後、少し下落した場面で再び買い戻したのですが、このように一度売った株を、また値上がりしたところで買うことについてはどう思われますか。
村上世彰(以下、村上):良いと思いますよ。一度売った銘柄をまた買うというのは、その銘柄についてずっと考えていたということです。考えた結果、その会社の将来も考えたときに、株を持っておくべきだという結論になったのなら、それはそれでいいと思います。
ただ、その会社の将来性が良いと思って株を買ったのなら、もう少し長期的な視点で持ち続けても良かったかもしれないですよね。あなたはその株について、1000円台で買って、少し上昇したところで売ってしまったけど、その後3000円台になったわけだから、惜しかったなと思います。
将来性の良い株を見つけたとしても、どのタイミングで買ったらいいのか、どのくらい持ち続けたらいいのか、というのはそう簡単な問題ではありません。上昇したところで一旦売却し、下がったらまた買うという方法も悪いわけではありません。
投資のやり方には1つの正解があるわけではありません。自分にとって良い方法を経験の中から見つけていくことが大切で、そのために今経験を積んでもらっているということなのです。
一生懸命考えながら投資し、実際に投資した経験からいろいろ学んでください。そして、自分なりの投資のやり方を見つけてくださいね。
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