村上世彰がN高で語る「ニトリ、島忠TOB」の評価

高校生に対話を通じて株式投資の哲学を伝授

部員:オンライン医療を手掛けている会社が伸びるのではないかと思い、投資したところ、順調に株価が上昇して、利益を得ることができました。事業提携、新規事業など、さまざまなニュースが出て、株価が上がっていきました。こうしたニュースによって投資タイミングを考えることについて、村上さんはどう思いますか。

村上:ニュースに注目して、投資タイミングを考えるヒントにするのは、もちろん良いことだと思います。ただし、ニュースだから皆が同じ情報を見ているわけです。それを見て売る人もいれば、買う人もいますよね。自分でさまざまな情報を調べて消化して、考えることが大切です。

ある会社への投資を考える場合には、『会社四季報』の記事から始まり、その会社の決算資料、ホームページ、さまざまな記事やニュースなどできるかぎり情報を集めて考えるということが大事です。そして、その会社の将来性はどうなのか、今の株価水準は割安なのか、ということを自分なりに判断するようにしましょう。

また、良いニュースが出たから買い、悪いニュースが出たから売り、と単純に判断できるほど投資は簡単ではありません。良いニュースが出ても、それがすでに株価に織り込まれていて、むしろ割高な水準になっているなら、その後下がってしまう可能性もあります。

逆に悪いニュースが出ても、それがすでに株価に織り込まれていて、かなり割安な水準になっているなら、そこから株価が上がっていく可能性もあります。その会社の資産内容、事業内容、将来性、割安さなどの要素を、すべてよく考えたうえで、「このニュースによって株価は大きく上昇していきそうだ」とか、「このニュースでもまだ買いではない」などと考えてみましょう。

もちろん、判断が間違ってしまうこともあるでしょう。そのときは、どうして間違ったのか反省することで、判断力が増していきます。さまざまなニュースに接し、自分自身で考えながら投資の体験を積み重ねる中で、投資判断の精度は上がっていくはずです。

景気や物色傾向の転換点はどう判断する?

部員:実はその後、10月になってから、特にニュースがないのに株価が急落しました。注目された結果、株価が上がり過ぎたので、その揺り戻しで下がったのではと思いました。

けれど証券会社の相場解説を読むと、来年にかけて景気回復期待が高まる中で、株式市場での物色傾向が、ウィズコロナ株から景気敏感株に移りはじめたということが書かれていたのです。景気の転換点や、銘柄の物色傾向の転換点などはどのように判断することができるのでしょうか。

村上:これは、なかなか難しい問題です。結論から言うと、「こうしたら、景気の転換点や、銘柄の物色傾向の転換点が判断できるよ」というのは、残念ながら無いと思います。もし明確な判別法があるなら、皆がお金持ちになりますね。

株価が下がった理由についても、景気動向だけでなく、その会社自身の動向、株価の割安さ・割高さなど、さまざまな要因が絡んでいるはずです。ですから、株の売買タイミングを考えるときは、景気動向、企業動向、株の割安さ・割高さなどを考慮しながら、自分で考えて、「もう割高な水準まで来たから株は一旦売っておこう」とか、「かなり割安だし、景気敏感株としてそろそろ浮上しそうだから買っておこう」というように判断していくことが大事です。

ただ、今の状況に関していうと、新しく発足した菅政権は「景気をなんとか腰折れさせないようにしたい」という意向が強いようなので、今後追加景気対策が出る可能性が高いのではないかと見ています。そうした流れの中では、景気敏感株の株価が回復しやすいかなとは思っています。

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