レノボCEOが語る「M&A成功の秘訣」 モトローラ買収でスマホでも世界トップ目指す

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──レノボは中国企業であるため、米国など先進国では、安全保障上のリスクを懸念する声がある。IBMのサーバー部門買収で、懸念がさらに強まれば、販売に影響が出てくる可能性もある。そうしたリスクにどのように対応していくのか。

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レノボはグローバル企業であると強調する楊CEO

米国は基本的にオープンな市場だ。特に消費者向けの製品に障壁を設けることは一般的にないと思う。これについては、われわれも市場へ参入するときに、リスク分析を行っている。

また、レノボにはこれまで築き上げてきた信頼がある。IBMのPC部門を買収して世界でビジネスを展開し、香港に上場もしている。国際的に見れば、中国企業というよりも、すでにグローバル化された企業だ。上場によって、経営の透明性もきちんと確保されている。

それだけではない。経営陣の多国籍化が進んでおり、現在の役員は、6カ国から集まっている。こうした部分をきちんと見ていただければ、先進国の成熟した市場でも、レノボは十分に受け入れられると思う。

もう一ついえるのは、保護貿易主義が世界の趨勢になってはいけない、ということだ。自国の企業を保護するために、「安全保障上の問題」といった口実はいくらでも作ることができる。だが、保護主義にして他国の企業が参入できないようにすると、それは結果的に、自国の企業が他国に進出できないことにもつながる。

これから先を考えても、保護主義が世界のトレンドにはなりえないし、なってもいけない。

買収先の人材は宝物

──レノボのM&Aは、買収したブランドや組織を積極的に活用して、成功を収めている。それは決して簡単なことではないと思うが、買収後はどういった点に気をつけているのか。

われわれのM&Aは、企業を買うというよりも、人を買うという部分が非常に大きい。買収した企業にいる人たちは宝物。新しい環境で、この人たちが持っている力を最大限に発揮できるように努力している。どうやって過去の実績よりも大きな仕事を成し遂げてもらうかが非常に重要だ。

だから、ほかの企業がやるような、買収後すぐに社員のクビを切ってコストを下げるようなことはしない。一人ひとりがより多く、より新しいことをできるようになれば、効率が上がってコストが下がっていく。その結果、業績もよくなるという考え方で動いている。

もう一つ補足をすると、M&Aそのものが好きなのではなく、本当に必要なものだから買収している。買収企業を選ぶ基準も、売り上げなどの規模ではなく、その企業が持つ実力を重視している。レノボが持っていないものをM&Aで獲得し、その力を今後の戦略のために活用している。

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