レノボCEOが語る「M&A成功の秘訣」 モトローラ買収でスマホでも世界トップ目指す

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Yang Yuanqing●1964年生まれ。1989年レノボ入社。2001年CEO就任。2008年に会長になった後、赤字転落した2009年にCEO復帰

今回、なぜわれわれはモトローラを買収するのか。レノボはスマホの販売で世界シェア4位だが、展開しているのは主に中国と新興国。先進国の成熟した市場には、参入できていない。

その理由は三つある。一つはブランド力がないこと。二つ目は先進国の通信キャリアーや通信インフラなどを提供するベンダーとの関係が薄いこと。そして三つ目が、特許を持っていないということだ。特許を持っていなければ、新しい市場に参入しようとしても、特許料を支払う必要があるため、効率的にビジネスができない。

モトローラを買収することでそうした問題が解消できる。4月にNECが持っていた携帯電話関連の特許3800件を買ったのも、同じ目的からだ。

「VAIO」買収は考えず

──先進国への参入に関連して、日本でのスマホの販売はいつになりそうか。

これは日本のチームと議論を進めている。モトローラを買収したのは非常によいチャンス。できるだけ早く、モトローラブランドの製品を日本で売り出したい。

──2011年にNECと日本のPC事業を統合した。その後の成果には満足しているか。

NECとの統合は、われわれのM&Aの非常によい例だ。これによって、われわれは日本市場でナンバーワンの地位を固めた。NECの持っている資産や価値を十分に活用しながら、事業が展開できている。現状、日本でのビジネスは約40億ドルの規模になっているが、NECとの統合でPCだけでなく、ほかの事業の成長に向けた新しいチャンスをもたらしている。

──ソニーがPCのVAIO(バイオ)事業を投資ファンドに売却した。これにも関心はあるか。

それについては、まったく考えていない。

週刊東洋経済2014年5月31日号〈26日発売〉「核心リポート01-2」に一部加筆)

中島 順一郎 東洋経済 記者

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なかしま じゅんいちろう / Junichiro Nakashima

1981年鹿児島県生まれ。2005年、早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、東洋経済新報社入社。ガラス・セメント、エレクトロニクス、放送などの業界を担当。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などを経て、2020年10月より『東洋経済オンライン』編集部に所属

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山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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