レノボCEOが語る「M&A成功の秘訣」

モトローラ買収でスマホでも世界トップ目指す

今年1月にIBMのパソコン(PC)サーバー部門を23億ドルで、グーグル傘下の携帯電話大手モトローラ・モビリティの買収21.9億ドルで買収すると発表したレノボ。相次ぐ巨額買収の勝算について、楊 元慶(ヤン・ユアンチン)CEOを直撃した。

 

──相次ぎ大型買収を発表した後、株価は一時3割も落ち込んだ。市場には買収に懐疑的な見方がある。

株式市場の動揺は、十分に予測できたことだった。一部の投資家はどうしても短期的な目線で見てしまう。特にモトローラについては、最近1年の業績がよくなかったので、レノボの足を引っ張るのではないか、と思う気持ちは理解できる。

ただ、株価が急落しても、私の気持ちはまったく揺らいでいないし、成功への自信は十分に持っている。確かに今回の買収によって、これから2~3年はレノボ全体でいろいろな調整をしなければならない。しかし、この調整が進めば、レノボはさらにステップアップする。今よりもよい業績を上げ、売却しないで持っていただいている株主に、必ず利益をもたらすことができると信じている。

一つよい例を示しましょう。10年前にIBMのPC部門の買収を発表したとき、レノボの株価は2.7香港ドルだった。5年前、私がCEOに復帰したときは、1.5香港ドルに下がっていた。今は、モトローラの買収を発表した後でも、8~9香港ドルの値がついている。株主の皆さんには、レノボの将来に向けての戦略や実行力を信じてほしい。

グーグルとは良い関係を築ける

──モトローラの買収に伴って、グーグルが約5%を保有する大株主になる。グーグルとの関係は今まで以上に深まっていくのか。

グーグルとは将来的によいパートナーシップを築けると思っている。

というのは、レノボはご存じのように、現状はハードウエアを中心にしたメーカーだ。一方、グーグルはソフトウエアあるいはサービスを中心にした企業。お互いに足りないものを持っているので、両社が協力すれば、ユーザーによりよい体験を提供することができるようになる。

──今後スマートフォンはグーグルのOS(基本ソフト)「アンドロイド」に集中し、マイクロソフトの「ウィンドウズフォン」は出さないという選択肢もある?

今回の買収にそうした意味はなく、契約の内容にも入っていない。

将来、レノボの販売するスマホが、アンドロイドベースになるのか、ウィンドウズフォンベースになるのかについては、市場の動向やユーザーを見ながら判断する。そのときに、グーグルの提供するソフトの内容が、市場のニーズに合っているかどうかが重要だ。

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