財政改革は待ったなし 近づく破綻の足音、国債増発以外の再建策が焦眉の急

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 しかも、1500兆円が変調を来している。日本では12年ごろから団塊世代の年金受け取りが本格化する。つまり日本の高貯蓄を形成してきた年齢層が取り崩す時代に突入する。三菱UFJ証券の石井氏は「高齢化の進行により家計の貯蓄率がマイナスに転じ、家計金融資産が減少に転じるのは14年から」と試算、「この構造転換が視野に入る13年ごろからリスクプレミアムが一段と拡大し、10年国債の金利も悪い上昇を始める可能性が高まる」と指摘する。

国の利払い費は現状約9・8兆円に上るが、そうした金利上昇で膨らみ始めると、やがて利払いのために借金(赤字国債を増発)する、いわば“サラ金地獄”に陥りかねない。

国債の消化を海外に頼らざるをえなくなり、さらに、経常収支が赤字に転落し恒常化、金利も急上昇などという事態になれば、IMF管理が他人事でなくなるという怖いシナリオさえ思い浮かぶ。

財政赤字拡大の裏側には企業行動の変化がある。80年代までは、家計の貯蓄は企業の設備投資に回っていた。ところが、日本のバブル崩壊後、企業は過剰設備による負債に苦しむことになる。そのため、90年代に減税と財政出動が繰り返された。この間、企業は過剰設備を廃棄し、債務を削減し財務の健全化を推進した。

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