瞑想するなら「朝一番・10分間・毎日」がいい理由 毎日「心」が同じ場所に戻ることで穏やかになる

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最後に、タイマーは、時間が来たときに思わず飛び上がってしまうような音のしないものを選んでください。クッキング・タイマーを買ってしまったばかりに、鳴るたびに心臓が飛びでそうになったという男性を知っています。携帯電話のアラーム音の中から適度にソフトな音が見つかるかもしれません。

ただし、電話は画面が見えないように伏せておき、音を切って、バイブ機能もオフにしておいてください。この3つを最初にやっておかないと、電話やメールが来たとき、誰から来たか確かめたくなる衝動にはなかなか勝てません。

また、朝の目覚ましに使っているのとは違うアラーム音を選んだほうがいいかもしれません。人は目覚ましの音に特別なイメージを抱き、時には強い嫌悪感をもつことさえあります。ですから、それを毎日の瞑想の一部にしないほうがいいでしょう。

しなかった日をやめてしまう口実にはしない

瞑想というのはスキルであり、あらゆるスキルと同様、身に付けたり磨いたりするためには、定期的に繰り返す必要があります。毎日座って瞑想することで生まれてくる勢いは、単純に再現できるものではありません。

新しい運動を始めるときと同じです。毎日の日課の一部になって、考えなくてもよくなるまで、定期的にやることで勢いをつける必要があるのです。毎日同じ時間にやることで、強力で確固とした習慣にするのに役立ちます。

10分間瞑想とマインドフルネスの効用について調べている神経科学者は、研究結果の中で、反復の大切さを改めて指摘しています。

それによれば、毎日繰り返し瞑想することだけで、脳の好ましい変化を促す十分な効果があるそうです。実は、このことが新たなシナプス結合関係と神経経路の確立に不可欠だと科学者は考えています。

つまりどういうことかというと、新しい行動や精神活動のパターンをつくることができ、同じく重要なこととして、古い精神活動のパターンを消すことができるのです。私たちの精神活動の多くが習慣化していることを思えば、このことには、人生をまさに一変させるような意味合いが含まれています。

研究ではさらに、瞑想する人が瞑想体験をよいものと認知しているか悪いものと認知しているかにかかわらず、脳には同じ有益な効果が見られることがわかりました。つまり、瞑想があまりうまくいっていないように思えるときでも、実はよいことが起こっているのです。

『頭を「からっぽ」にするレッスン 10分間瞑想でマインドフルに生きる』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

ですから、その日の気分や感情にかかわらず、毎日繰り返すようにしてください。この反復を通じて、いつの日かもっと頭を空っぽにすることができるようになるでしょう。

もし、たまたま瞑想を休んでしまった日があっても、瞑想をすっかりやめてしまう口実にしないでください。

より意志を強くもち、忍耐力を鍛え、状況の変化にうまく適応するための機会にしてください。そのこと自体にメリットがあります。最近、患者の1人がこう言っていました。「どんなメリットがあるのかを言葉にするのは難しい。ただわかるのは、瞑想した日はすばらしい気分になり、しなかった日は最悪の気分になるということだけ」――。

あなたも、瞑想した日はどんな気分か、そしてなんらかの理由でできなかった日はどんな気分かを感じてみてください。

アンディ・プディコム 臨床瞑想コンサルタント

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Andy Puddicombe

イギリス保険医療委員会公認の臨床瞑想コンサルタント。元仏僧。大学在学時に僧を志しアジアに旅立つ。世界各地の寺院や僧院で修業を積んだのち、チベットの僧院で正式な仏僧となるが、2004年にイギリスに帰国。その後、瞑想普及のための団体〈ヘッドスペース〉を創設。「瞑想を誰にとっても身近なものにし、なるべく多くの人に瞑想にしたしんでもらいたい」との理念を持ち活動に励んでいる。本書はビル・ゲイツが2018年に続き、2020年のお勧め本の1冊として推薦、世界各国で刊行されベスト&ロングセラーとなっている。

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