韓国「不買運動」でも生き残った日本企業の勝因 「日本の会社」という知名度が影響した

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韓国では7000億ウォン(約647億円)台を売り上げていたアパレルブランド・デサントの状況も厳しい。2000年に韓国に進出したデサントは、10代、20代の世代を中心に高い人気を得ている。特に中学、高校の男子生徒の間では爆発的な人気がある。しかし、不買運動で状況が悪化した。デサントコリアの売上高は6156億ウォン(約568億円)で、前年の7270億ウォン(約671億円)から15%の減収となった。また、営業利益は87%の減益となる90億ウォン(約8億4000万円)だった。

デサントコリアは2019年9月から4カ月間、韓国内約750カ所の売り場に対し120億ウォン(約11億3000万円)を投じててこ入れを図った。不買運動による被害を最小化するためだった。2020年3月にも、コロナ禍で状況が厳しい売り場に対し、賃貸料や人件費対策として30億ウォン(約2億8000万円)を追加している。

悪影響あっても売り場数を増やしたデサント

しかし、状況の打開・好転には力不足だった。結局デサントは、2020年8月に8~13歳向けの子ども向けカテゴリーの専用売り場をすべてなくした。ロッテや新世界、現代といった韓国内主要百貨店とショッピングモールなどにある47の専用売り場を、通常の売り場へ統合させている。

デサントは2016年8月に、デサントブランドとして子ども向けカテゴリーを立ち上げた。子ども向け市場が拡大し、2018年からは専用の売り場を設けて事業を展開していた。このカテゴリーの2019年の売上高は200億ウォン(約18億4600万円)台に達していた。専用の売り場はなくしたが、子ども向けカテゴリーを販売する売り場は、2019年の252カ所から今年は258カ所と増えている。

業界関係者は「子ども向けカテゴリーをすべてなくしたのではなく、通常の売り場と統合して運営するようにした過程で一部の店舗にも展開されることになったため、結果的に売り場が増えたのだろう。それでも状況は厳しいが、地方や新たな商圏での需要が拡大しており、売り場数にはそれほど変動がなかった」と説明する。

「NOジャパン」のシュプレヒコールを挙げる不買運動でユニクロとデサントを取り巻く状況は厳しいままだが、一方で善戦している日本企業もある。ABCマートがその筆頭格だ。

ABCマートコリアの2019年の売上高は5459億ウォン(約504億円)で前年比6.7%の増収、営業利益は376億ウォン(約35億円)で前年比11.9%の減益となった。それにもかかわらず、ABCマートは日本人・日本法人が発行済み株式の50%以上を持つ主要消費財企業で、かつ決算を公開している7社のうち、唯一売り上げを伸ばした。、ユニクロやデサント、韓国ミニストップ、キャノンコリアコンシューマイメージング、無印良品、ロッテアサヒ酒類などはすべて減収となった。

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