中谷会長は「野球」そのものの存在意義にも危惧を抱いている。
「少子高齢化で野球の競技人口は減っていますが、それだけではなく野球の“価値”も下がっています。ある甲子園強豪高校の経営者は“これからは勉強や芸術などいろいろな価値を高めて学校全体のステイタスを高めないと”と言いました。“甲子園に行けば生徒が集まる”という簡単な時代ではなくなっているのでしょう。だから私学の有名校でも野球に力を入れなくなる可能性がある。
大阪はこれだけ野球が強いのに、野球の競技人口が減ってグラウンドがなくなっています。先日、大阪府知事さんにお目にかかったときに“グラウンド整備に予算を”とお願いしました。足元の大阪でも危機的な状況なんです」
少年硬式野球「淘汰の時代」
ボーイズリーグは、プロ野球への選手輩出で、圧倒的な実績を誇ってきた。それだけに「行きすぎた勝利至上主義」や「健康の軽視」など、日本野球の問題点とされる部分も色濃く持っているチームが多かった。
しかし一方で、大きな組織だけに多様なチームがある。「子どもを野球好きにする」「高校以降で活躍できる選手を育成する」ことを目的に、子ども本位の指導で注目される堺ビッグボーイズや、「野球遊び」を取り入れて小学生の加入者を増やしている前橋中央ボーイズなど、ボーイズリーグの中でもユニークな活動で選手数を増やしているチームもある。
筆者の印象では、少年硬式野球は「淘汰の時代」に入ったのではないかと思う。中谷会長も、それを否定しない。
「新型コロナで、野球をめぐる環境はさらに厳しくなるでしょう。今後は“これまでやってきたこと”を続けるだけではなく、はっきりとした方針をもって、チームを組織としてしっかり運営できるところが、生き残っていくのだと思います。私もボーイズリーグの未来に向けて、みなさんと一緒に考えていきたいと思います」
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