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3年半前の社内コンペから企画がスタート
波が押し寄せる海辺に並ぶ、消波ブロック。その代名詞ともなっているのが、テトラポッドだ。かわいらしくテトラと略して呼ばれることもある。
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そんなテトラポッド型のスピーカーを作るという、個性的なプロジェクトの中心となったのは、プロダクトデザイン担当の石川氏。ただし彼はテトラポッド好きではあるが、オタクというほどではない。ところがある日、社内に“テトラポッドオタク”がいたことが判明。石川氏を強力に支えてきたという。その人物が山目氏である。
──“ウソからでたまこと”のように発売された商品でしたが、一朝一夕で作れるものではないですよね。いつ頃から準備をしていたのですか?
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石川:3年半ほど前です。社内でBluetoothスピーカーのアイデアを公募するコンペがありました。そのとき通った企画がテトラポッドスピーカーです。当時、自分は入社1年目でした。それから、外観のデザインをしたり、モックアップを作ったりを繰り返して、ようやく2019年にフィックスできるレベルになりました。
──そこまで形ができていたのに、クラウドファンディングを使ったのはどういった狙いがあったのでしょう?
石川:当初は、量販店で売るという話もありましたが、プロモーションをどうするか社内で意見を集めたところ、「そもそもネタに走っている企画なんだから、エープリルフールにツイッターで流して話題にしてから発売してはどうか」というアイデアが出ました。そこが決まってからは、売るタイミングと場所は自然に決まっていきました。資金調達の意味合いはなく、プロモーション強化の一環としてクラウドファンディングサイト“Makuake”のサービスを利用したという認識です。
──達成しなかったらどうしよう……と不安はありませんでしたか?
石川:Makuakeには方式が2種類あります。今回「オールイン」を選んだので、この場合は、目標金額に届かなくてもお金を払ってくれた人には商品を届けます。とはいえ、4月1日はもう、1日中業務が手につかなかったです。不安な気持ちでいっぱいでした。
山目:私もあの日は画面に張り付いていました。達成したときはうれしくて「石川くん、超えたよ」と、すぐに連絡しました。テトラポッド好きが世の中に僕しかいなかったらどうしようかと思っていたので。
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