昨年11月、リーグを運営するIBLJの社長に就任したのが馬郡健だ。馬郡は慶應義塾大から電通を経て、アメリカでインターネット関係の事業に携わる。その後、帰国し東京でIT企業を経営する。大学時代は競泳の選手として鳴らし、慶應義塾大学体育会水泳部(競泳部門)の監督も務めた。
「就任したときの印象は、4球団が違う方向を向いているのでは、というものでした。そこで球団とリーグ、球団同士の情報のやり取りをひとつのプラットフォームに上げることにしました。球団間だけでなく、経営陣と現場の情報格差も感じたのですが、これも共有化しました。情報を丸出しにするから、みんなで考えてほしいと言いました」(馬郡氏)
「より筋肉質」のリーグに
IT事業の専門家だけに仕事は速い。いろいろな議論はあったが、リーグ全体が問題意識を共有するようになった。「もちろんシステムだけでは組織は動きません。コロナの前まで4球団の経営者と膝を突き合わせて話し合い、飲みにも行ってとことん話し合いました」という。
その矢先にコロナ禍が四国を襲った。7月には高知ファイティングドッグスの選手が1人感染した。
「このときも徹底的に情報共有しました。高知の感染者の状況も4球団にオンタイムで伝えました。各球団に持続化給付金の申請方法なども共有しました。私は日本独立リーグ野球機構(IPBL)の会長も務めていますが、会員であるルートインBCリーグの村山哲二代表や準会員の琉球ブルーオーシャンズとも情報共有し、独立リーグを挙げて感染対策をしました」(同)
IBLJ自身も社有車を売却しカーシェアリングに切り替え、事務所もコワーキングスペースにするなど徹底的にスリム化。リモートでの業務を増やすなど、今後の経済危機に対応する体制に切り替えた。
「これまで四国はオンライン中継には積極的ではありませんでしたが、4球団ともに実施し予想以上の手応えがありました。コロナ禍で、いろいろなものが変化すると思いますが、私はガラガラポンは決して悪いことだけではないと思います。
四国ILは、何度も経営危機に見舞われながらここまでやってきました。"やせ我慢経営”には慣れていますが、コロナ禍を糧として、より筋肉質の経営になっていけばいいと思います」(同)
四国アイランドリーグPlusは、10月24日にシーズンを閉幕する。今季は何とか運営できたが、むしろ来年こそが勝負の年と言えるだろう。
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