「野球独立リーグ」苦しいコロナ禍で挑む大変革 「より筋肉質」目指す独立リーグ、四国ILの経営

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コロナ禍に「四国アイランドリーグplus」はどう立ち向かっているのか(写真:筆者撮影)

「四国アイランドリーグplus」(以下四国IL)は、2005年に創設されたわが国では最も古い野球の独立リーグだ。筆者は創設年から観戦している。例にもれずコロナ禍の影響を受けて大揺れに揺れたが、それでも希望を失っていない四国ILの「現在地」について紹介したい。

四国IL は2005年に、西武、ダイエーのスター選手だった石毛宏典が立ち上げた。理念先行で経営基盤がしっかりしていなかったために発足直後に経営危機に陥り、地元企業や自治体などが支援して、新たな体制に生まれ変わった。創設時からの経営陣は全員入れ替わり、各球団は何度も経営危機に見舞われながらもここまでやってきた。

筆者は緊急事態宣言前の3月と、リーグ戦が開幕した6月以降に数回にわたって四国を訪れ、球団の経営者に話を聞いた。

NPBへ多数の「人材輩出」

かつては、元広島の西田真二監督の率いる香川オリーブガイナーズが強かった。だが今、四国で「最強」と目されるのが、徳島インディゴソックスだ。徳島はここ3年で2度の総合優勝をはたした。

独立リーグの大きな目標である「NPB(日本野球機構)への人材輩出」も順調で、過去5年間で四国ILからドラフト指名された15人のうち10人が徳島だ。その中には今季、俊足で売り出した巨人、増田大輝もいる。

香川オリーブガイナーズを運営するパブリック・ベースボールクラブ徳島の南啓介社長(写真:筆者撮影)

徳島のチーム強化を牽引してきたのが、2015年12月に運営会社「パブリック・ベースボールクラブ徳島」の社長に就任した南啓介だ。

南は高校、大学などを回って積極的に選手に球団の説明をして、入団を説得している。独立リーグではトライアウトやテストは行っているが、積極的なスカウトはあまりしてこなかった。

「これは、と思う選手がいれば、家まで行って説得もしたことがあります。いろんな事情で野球を断念している子でも才能があれば再起し、チャレンジしてもらいたいと思っています。勝負ごとですので勝たないと見てもらえないし、発言力もない。言葉に信憑性、重みもありませんから」(南氏)

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