「野球独立リーグ」苦しいコロナ禍で挑む大変革

「より筋肉質」目指す独立リーグ、四国ILの経営

独立リーグからNPBにドラフト指名されると、選手の契約金、年俸の一部が独立リーグ球団に育成対価として戻してもらえる。「NPBへの選手輩出」は重要な仕事でありビジネスモデルでもあるのだ。

独立リーグの主要な財源は、地域企業によるスポンサードだ。徳島は主催試合を丸ごと買い取ってもらう「冠試合」がメインだったために、コロナ禍の今季は苦戦している。助成金関係も申請するなど手は打ってきた。

「強くなったことで関心、興味を持っていただき熱心に応援してくださる地元の方々も増えました。徳島は現時点では元NPB選手の獲得を積極的にしていません。あくまで徳島で発掘した、やる気がある若い素材の選手を成長させて勝ちに行きたいです。『強さ+若さ』は徳島の特徴です」(同)

試合のオンライン中継を開始 

愛媛マンダリンパイレーツの運営会社は「愛媛県民球団」。その名の通り愛媛県、松山市などの自治体、地元金融機関などが出資し、支援している。

ほかにも「県民球団」を名乗る独立リーグ球団はあるが、地元全自治体が出資する県民球団は愛媛だけだ。運営は地元の信用が厚い広告代理店の星企画が担っている。

愛媛マンダリンパイレーツを運営する愛媛県民球団の田室和紀球団統括マネージャー(写真:筆者撮影)

球団統括マネージャーの田室和紀はこう語る。

「3月28日が開幕でしたので、スポンサーさんにはそれまでにご入金いただきました。その後、開幕が延期になりましたが、大きなダメージはありませんでした。うちは、県、市、町といった自治体だけでなくスポンサー企業が多くて助かっています。もちろん来年以降は厳しくなるでしょうが」

四国IL各球団はコロナ禍による自粛期間中、グラウンドの確保に苦労した。いつも使っている公立のグラウンドが使えなくなったからだ。しかし愛媛は株主である愛媛銀行のグラウンドを使用することができた。30人を3グループに分けて、密にならないように時間割を組んで練習したという。

また、これまでやってこなかった試合のオンライン中継を開始。これが予想外の視聴者数を得て、新たなスポンサー営業ができるようになった。監督は巨人、西武、中日で活躍した河原純一。今季で4年目だ。昨年から巨人、中日でプレーした小田幸平がコーチに就任した。

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