高校生が「制服を着崩さなくなった」本当の理由 大学入試制度改革が優等生目指す志向を導いた
2010年代から着こなしに変化が
制服はかわいく、かっこよくなったことで、学校で管理教育は見られなくなったかといえばそんなことはない。制服モデルチェンジしてからは、それを厳しく守らせるようにする。
「うちの生徒は制服が好きでこの学校を選んだ」と受け止める学校のなかには、かわいい制服なのだからそれに従いなさいと言わんとばかりに、変形させたら口うるさく指導する、スカート丈は毎日しっかり点検する、少し前ならば腰パンに近いかっこうをすれば着替えさせる、など厳しく管理するところは少なくなかった。学校から腰パン、ミニスカートを追放するためである。
「服装の乱れは心の乱れ」神話は、学校にとってはまだまだ有効に作用した。制服メーカーには変形できない、スカートを短くできない素材、デザインを求める声はずいぶん届いている。だいたい1990年代から2000年代のことである。
ところが、2010年代に入ってから、制服の着こなしに少しずつ変化が見えてきた。
街で腰パンや極端なミニスカートなど、制服を着崩している不良、非行少年少女の姿がめっきり減ったのである。新宿、渋谷、池袋を闊歩するタータンチェックのミニスカート姿に遭遇することが珍しくなった。
たしかに街で着崩しを見なくなった。みんな制服をまじめに着ている。
このことから不良、非行少年少女が少なくなったとは決めつけられないが、多くの高校生に話を聞いてみると、制服変形が減少した理由を次のように整理することができる。
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