「大学に通う意味」が根本的に問われているワケ

リモートで提供できない価値はいったい何か

まとめれば、こういうことです。

リアルな劇場の最前列に近い席で世界最高の公演を見たり聞いたりすることができれば、もちろんそれはリモートより優れています。しかし、劇場の天井桟敷の席で柱の影に隠れて三流のパフォーマンスを見ることと、リモートを比べたらどうでしょうか? 多分リモートのほうが優れているでしょう。

リアルな公演には、もう1つの問題があります。

例えば、シェイクスピアの戯曲はいくつもありますが、実際の興行では、集客を考えると上演できるものに制約が加わります。

シェイクスピアの戯曲でそうなのですから、ましてや、名の知れない作者の作品には強い制約が加わるでしょう。

これはバレエについても言えます。上演されるのは「白鳥の湖」ばかりということになりかねません。

しかし、めったに上演されないものを見たいと考えている観客もいるのです。

リモート公演はロングテールに対応できる

これは「ロングテール」と言われる需要です。そうしたものにリアルで対応するのは難しいことです。

書籍については、アマゾンがロングテールに対応しました。それと同じことが、リモート公演でできるはずです。

旅行についても同じことが言えるかもしれません。

アフリカの奥地に行きたいのはやまやまながら、実際に旅行するのは極めて難しい。しかしリモートであれば行けるでしょう。

従来のような万人向けのテレビの旅行番組ではなくて、少数の人間の好みに応じたリモート旅行の提供がすでに始まっています。これも、ロングテール需要に対応しようというものです。

残った問題は、どのようにしてこうしたサービスの需要と供給をマッチングさせることができるかです。

原理的には、マッチングサイトを作ればよいわけです。インターネットには、すでにさまざまなモノやサービスのマッチングサイトが作られています。同じものが新しい分野にも作られることが期待されます。

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 子どもを本当に幸せにする「親の力」
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 角田陽一郎のMovingStudies
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
ウエルシアがイオンと挑む「ドラッグストア飽和」打破の勝算
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT