「大学に通う意味」が根本的に問われているワケ

リモートで提供できない価値はいったい何か

かつてイギリスの詩人ジョン・メイスフィールドは、「この地上に大学より美しい場所はない」と賞賛しました。

大学のキャンパスには、オンラインでは決して代替できない本質的なものがあるのでしょうか?

あるいは、それは単に虚構にすぎなかったのでしょうか? または、単なるノスタルジーにすぎないのでしょうか?

単なる虚構だったのだとすれば、大学はMOOCSなどのオンライン型高等教育に取って代わられるでしょう。

大学のキャンパスに通って教室で講義を受けるのは、ごく当たり前のこととして、何百年も続けられてきました。そして、そのスタイルに本質的な挑戦を受けることはなかったのです。

いま、数百年にわたる大学の歴史において、初めて本質的な問いが突きつけられています。

リモートはロングテール需要に対応できる

音楽、演劇、バレエ、ミュージカルなどについて考えてみましょう。

リモートなら、世界一流の公演が簡単に見られます。リアルで三流のものを見たり聞いたりするより、こちらのほうがよいでしょう。

それだけではありません。リアルな公演には、制約が加わることが多いのです。

例えば、弦楽四重奏。これは室内楽なのですから、本来はすぐ近くで聞くものです。しかし、実際の演奏会では、遠くでしか聞けない場合が多いのです。

私は、弦楽四重奏をすぐ近くで聞いた経験が2度ほどありますが、遠くの舞台での演奏とはまったく違うことに驚きました。

その後、デジタル録音で超一流の演奏を聞けるようになり、こちらのほうがリアルな舞台を遠くで聞くよりいいことがわかりました。

バレエ、ミュージカル、演劇でもそうです。普通は遠くにある舞台を見ています。このため、細かい動きがわかりません。他方、オペラグラスで見ると、全体がどうなっているのかがよくわかりません。それよりは撮影された映像を見たほうがいい場合があります。

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