リモート勤務が当然になった人々が起こす激変

移動不要で時間効率化だけでなく国境も越える

「リモートが当たり前」になったことは社会的ルールの大転換が始まったことを意味します(写真:yongshan/PIXTA)
昨今の経済現象を鮮やかに切り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第28回。

リモートは想像を絶する社会を作る

1年前には「マニアックな人だけがやること」と考えられていたテレビ会議が、「ごく普通のこと」と考えられるようになりました。「社会的ルールの大転換」 が起きたのです。移動の多くが無駄なものであることがわかりました。

この連載の一覧はこちら

リモートは、活動可能性を広げます。日本に住んだままでアメリカの企業に勤務することが可能になったし、企業は全世界から優秀な人材をリクルートできます。これがもたらす変化は、想像を絶するものです。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、Zoomなどによるテレビ会議が頻繁に行われるようになりました(注)。

もっと一般的にいえば、「リモート」の進展です。

私の場合でいうと、さまざまな打ち合わせを、テレビ会議で簡単にできるようになりました。

メールで用件と日時を決め、その時間帯を空けておくだけ。移動する必要もなく、簡単にできます。

ここで注意すべきは、テレビ会議は、技術的にいえば、かなり前から可能だったことです。

しかし、1年前に、「この件についてテレビ会議で打ち合わせたい」と言ったら、「変なことを言う人だ」と受け取られたでしょう。「私と会うのがそれほど嫌なのですか?」と言われかねませんでした。

それが変わったのです。いまは、簡単な用件について30分のテレビ会議で打ち合わせするのは、ごく当たり前のことと受け取られるようになりました。

テレビ会議は、1年前であれば「変なこと」「マニアックな人だけがやること」と考えられていました。リアルな会合をそれに切り替えることには、社会的な抵抗がありました。

そのため、技術的には可能だったにもかかわらず、広範には使われなかったのです。

それが、「ごく普通のこと」「当たり前の正統的な手段」と考えられるようになったのです。

いわば、「社会ルールの大転換」 が起きたことになります。

その転換がわずか半年の間に生じました。

次ページこれまで多くの無駄があったことがわかった
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • 看取り士という仕事
  • 就職四季報プラスワン
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
ANAとJAL、国内線で競り合う復活レースの熾烈
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
富裕層、世代でまったく異なる「お金の使い方」
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
話題の「30分で絵を描く」秘訣、驚くほど簡単4手順
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
メタバース革命が始まる<br>全解明 暗号資産&NFT

不正流出事件から4年。復活不可能に見えたビットコイン相場は米国主導で活況を取り戻しました。暗号資産を使ったNFTの購入、そしてNFT取引が広がるメタバースにもビジネスの機会が広がっています。日本は暗号資産とどう向き合うのでしょうか。

東洋経済education×ICT