「大学に通う意味」が根本的に問われているワケ

リモートで提供できない価値はいったい何か

物理的な教室の収容能力の点から言えば、オンライン教育にして学生定員を増やすことが可能であるにもかかわらず、教員による評価の限界があるために、そして評価が極めて重要であるために、学生数は今とあまり大きく変えることができないということになります。

ただし、教員数を増やせば学生数を増やすことは可能でしょう。その意味で、教育産業が従来よりも量的に膨張することは十分考えられます。ただし、これは、大学よりは各種学校などで生じることではないかと考えられます。

第2に、「キャンパス生活」があります。

大学のキャンパスは美しく魅力的なところが多く、そこで過ごせるのは特権です。

偽学生としてキャンパスに出入りするのは可能でしょうが、それでは満足できない。「正式の学生としてキャンパスに出入りし、講義を聞く。それは生涯の思い出になる」という考えです。

これは、言ってみれば、大学とは高級遊園地、あるいは知的社交場のようなものだということです。

一員としてそこで活動できるのが重要

そこで何かを学んだり、評価をされたりすることよりは、その一員としてそこで活動できるのが重要だという考えです。

そして、そうした生活の中で友人を作る。それは一生の財産になるだろうという考えです。確かに、大学のクラス会や同窓会は、多くの人にとって重要な意味を持っているでしょう。

では、こうしたことが大学の存在する本質的な価値なのでしょうか?

知的社交場であれば、テレビ会議をうまく用いることによって提供できるような気もするのですが、どうでしょうか?

以上で述べた問題は、「新型コロナが終息してリアルな大学生活に戻せば、解決する」というものではありません。それでは、単なる惰性です。

オンライン教育に望ましい側面が多々あることは事実なのですから、コロナ後の世界においても、オンラインを活用し、かつそれに加えて、何かの本質的なサービスを提供することができれば、そうした大学が伸びるはずです。

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