予防接種した人もウイルス感染する例がある訳 ワクチンさえ打てば万全と考えるのは間違いだ
予防接種を受けると体には何が起こるか
日本人の多くは幼少期からさまざまな予防接種を受けています。1度受ければ終わりのものもあれば何度も受けるものもあり、受けると特定の病気にかかりにくくなることはよく知られていますが、そのとき何が体に起きるのでしょうか。
ごく簡単に言うとすると「体に入ったウイルスを倒す準備を整える」となります。たとえば、はしかや風疹に1度かかると2度とかからないのは、体内の免疫細胞が病原体を倒す武器(抗体)のつくり方を学習して忘れなくなり、以降、何度その病原体が体に入ってきても迅速に攻撃できるようになったからです。
このしくみを利用したのがワクチンです。ワクチンは、病原体(抗原)の毒性を弱めたり失わせたりした人工製剤で、ワクチンを体に入れると、免疫細胞が、その病原体用の武器(抗体)のつくり方を覚えて感染に対抗する力(免疫)がつきます。
ただし感染を避けたい病原体がウイルスの場合、細胞膜という共通の構造がないぶん汎用的なアプローチが難しい。しかも遺伝子の変異もあるため、ワクチンの製造自体が困難になるケースは多々あります。
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