予防接種した人もウイルス感染する例がある訳 ワクチンさえ打てば万全と考えるのは間違いだ
もちろんウイルス感染の結果、免疫機能が下がって細菌にまで感染してしまった場合に抗生物質が用いられることがないわけではありません。ただ、これはウイルスではなく細菌に対して使っているだけです。
むしろウイルス感染症に使いすぎると、抗生物質が効かなくなる「薬剤耐性菌」発生のリスクも生じてしまいます。特に中国など抗生物質の乱用が指摘される国では、細菌の感染拡大を抑える選択肢が減り非常に深刻な問題になりました。
ウイルスと細菌の決定的な違いとは?
細菌の話が出たので、ここでウイルスと細菌の違いについて確認しておきましょう。感染症には、おもにウイルス性のものと細菌が原因のもの、真菌(カビ)が原因のものがあります。インフルエンザやはしかはウイルス性の感染症、結核や一部の膀胱炎は細菌性、カンジダや水虫を呼ぶ白癬は真菌症です。「どれも病気の原因になる外敵でしょ?」と思われたかもしれませんが、一概にそうとは言いきれません。
そもそもこの3つは構造からして、まったくの別物です。
細菌は一つの細胞でできた「生物」で、自力で増殖できます。私たちの皮膚や腸には数多くの細菌が棲みついていますが、大腸菌や黄色ブドウ球菌などのように病気を引き起こすものばかりではありません。体を守ってくれるものもあります。
真菌は生物で、カビやキノコ類、酵母もその仲間です。前述のように、病原体となる真菌にはカンジダや白癬菌などがあります。
そしてウイルスは、細菌や真菌と違い自分の細胞を持っていません。だから人間や動物の細胞に入り込まないと、増殖どころか生き残ることもできないのです。そして細菌の10分の1〜100分の1の大きさしかありません。病原体となるウイルスには、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどがあります。
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