「70歳定年」で30~40代の昇進が絶望的な理由 年功序列の「日本株式会社」は変われないのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

彼らの同期には昇進レースに敗れ、いまだ課長、次長にとどまっている者もいるのに、彼らを差し置いて若手にそれを一足飛びに階段を駆け上がるチャンスを与えるはずがない。

では今30歳、35歳のビジネスパーソンは、どうやってこれから到来する「70歳定年制時代」を生き抜いていけばよいのか。

ただひたすら待つというのが、ひとつの選択肢。おそらく、大部分の若手サラリーマンは、昇進の遅れ、昇給の遅れに不満を持ちながらも、この選択肢を取ることになるのであろう。

もっとやる気があって、どうしても自己実現をしたいという若手ビジネスパーソンは、「日本株式会社」を出ていくしかない。ただ、他社に移っても、ほとんどの日本の会社では、同じように年功序列制度を取っているから、未来は開けない。

「70歳定年制時代」3つの選択肢

となると、若手ビジネスパーソンの行先は、①年功序列のない能力主義の日本企業に転職する、②能力主義、実力主義の外資系企業に行く、③独立起業する、の3つしかない。

まず「年功序列のない能力主義の日本企業への転職」から見ていこう。能力主義の日本の会社には、比較的フェアに運営されるベンチャー企業もあるとは思うが、創業者のワンマン社長に率いられている会社も少なくない。ワンマン社長は、会社のため、ひいては自分のためにお金を儲けてくれる人を探していることもある。

ワンマン社長は、社長から言われたことを必死で遂行してくれる人を求めていて、口答えは厳禁だったりする。自ら考え、「こういうやり方のほうがいいのではないですか」などと言おうものなら、社長の顔色が変わるケースがある。筆者の周りにも、こうした会社に間違って入ってしまった人がいるが、多くの人は社長の地雷を踏んでやめていく。

自分のキャリアの中で経験を積むためにこうした会社に入るのならよいが、そこで長期的にやっていこうと思って入るのは慎重にしたほうがよいだろう。つまり、短期的な転職先とはなっても、70歳定年制を生き延びる選択肢にはなりにくい。

では「能力主義、実力主義の外資系企業に行く」はどうだろうか。まず、この選択肢を取るとしても、日本で多数の人員を抱え、日本化した会社に入ってはいけない。

なぜなら1000人も2000人もいるような外資系は、「日本株式会社」と同じになってしまっている可能性があるからだ。働いている人の98%とか99%が日本人なら、完全に日本の会社で、外資系の魅力はない。会社でのコミュニケーションは日本語だけで、英語を話す機会もない。外資系的仕事の仕方も学べない。

次ページ自分の市場価値を高める方法
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事