「地方の怪物」東大生の勉強法が本質的すぎた 「自分のやり方は自分で決める」というプライド

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「想定より分量が多すぎて勉強が終わらなかった」という「合理」の面での失敗を「気合だ!」と「感情」で解決しようとしても意味がないですよね? 「合理」と「感情」を分けることで、これを避けて、本当の意味で問題を解決することができるのです。

「感情の問題」は感情で解決するしかない

「地方の怪物」東大生の思考法3:「自訓」を書く

最後は、「自訓」を書くというものです。

先ほどの話でいくと、「合理」の問題は比較的解決しやすいです。勉強時間の見通しが甘かったなら修正すればいいし、目標が高すぎたなら次はもう少し低くすればいい。

でも、「感情」の問題って解決しにくいんですよね。「精神的に弛んでるからこんなミスがあるんだな」ってわかっても、「じゃあ気をつけるか」くらいしか対処法がありません。

そんな中で「地方の怪物」が実践していたのが、「自訓」を書くというものです。「今、自分はこういうところができていないんじゃないか!」「ここの部分をしっかり解決しないと、合格はない!」といったように、話し言葉で、自分に向けて、自戒の文章を書き、机に貼ったり手帳にはさんだりするのです。

ある「地方の怪物」東大生の「自訓」(写真提供:匿名希望の東大2年生)

感情の問題は、感情で解決するしかありません。そのときに必要なのは、自分で自分に話しかけるような感覚で、自分と対話する意識なのだと言います。

もう1人の自分が、自分を叱っているような感覚を持ち、その人の言葉に従って、感情の問題を解決しようと試みる。少し前時代的で古臭いような印象も受けますが、実はこれが一番効くのだと言います。

ちなみに僕も似たようなことをしていました。「あしたやろうは、ばかやろう」みたいな、自分を鼓舞するような文章を机の近くに貼って、「あ、自分は今ちょっと弛んでしまっているな」と思ったらそれを見るようにしていました。今思い返すと笑ってしまいますが、割と効果があったなと思っています。

いかがでしょうか? 実はこういう「地方の怪物」東大生って、学内でも、勉強以外の分野も含めて、非常に高いポテンシャルを発揮している印象があります。きっとそれは、「自分で自分のやり方を見つける」という思考を徹底的に実践できているからなのではないかと感じます。

今回紹介した「自己分析」をして「自己流」を考えるという彼ら彼女らのやり方が、何らかの形でみなさんの参考になれば幸いです。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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