「地方の怪物」東大生の勉強法が本質的すぎた 「自分のやり方は自分で決める」というプライド

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まず、地方公立高校出身でありながら東大模試1位を獲得し、間もなく『東大式目標達成思考』を出版する相生昌悟さんを含め、「地方の怪物」東大生に共通していたのは「自分で自分の勉強を作っていく」という意識でした。

『東大式目標達成思考』(書影をクリックすると、アマゾンのページにジャンプします)

受験指導がしっかりしている学校や予備校では、「この宿題をやって、この勉強をすれば合格できるよ!」というような、合格のための方法論が整備されています。

それは何十年もの蓄積に基づく、非常に素晴らしいものです。

でも、不思議とその方法で成績が上がらない学生も多いですし、「地方の怪物」たちはそんな素晴らしい方法論など知らないにもかかわらず、模試や入試でそういった学生よりもいい点を取ります

「自分で考え、納得した方法」がいちばん効果的

なぜ、こんなことが起こるのか? これに対して、1人の「地方の怪物」はこんなふうに言っていました。

「人から言われた方法をただやるのって、思考停止に近いと思うんですよ」

「自分で考えたやり方じゃないと、納得できないし、身が入らないじゃないですか」

人から教えてもらったことを実践するのではなく、自分で考えて、自分で納得できるやり方でないと、真に効果は発揮されないというのです。

これを聞いたときに僕は、オリンピック選手を育てたこともある陸上競技の監督がおっしゃっていたことを思い出しました。

「このトレーニングを実践すると必ず効果がある」と考えられているAの方法と、ある選手が「自分にはこのトレーニングが合っているはずだ」と考えるBの方法があるとします。Bの方法よりもAの方法のほうが科学的には10倍効果が上がるものだと言われている場合でも、その監督の経験則では、なぜかBの「自分で考えた」方法のほうが効果があるのだそうです。

「地方の怪物」東大生は、この意識が非常に強い人たちでした。彼らは自分なりに工夫して、自分の性格に合わせて、自分なりの努力の方法を考えている人であり、だからこそ成功をつかんでいるというわけです。

相生さんのある日のメモ。上にその日の目標、下に今後やるべきことが書かれている(写真提供:相生昌悟さん)

誤解のないように言っておきますが、これは徹底的な「自己分析」に裏打ちされたものです。

例えば『東大式目標達成思考』を出版する相生さんは、自分の手帳に毎日「今日はこういう目標を立てていたのに、ここがダメだった」「ここの問題はこうやって解消しよう」といったことを事細かく書き込んでいました。

毎月・毎週・毎日の目標を定めて、それに対して実際にはどうだったのか、うまくいかなかったときにはどうして失敗してしまったのかを考えるのです。

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