「インフルエンサー」は本当に使えるのか?

なぜ、あの人のクチコミは影響力があるのか(2)

 SNSが台頭するなかで、特別な影響力を持つキーパーソンを、どうつかまえばいいのだろうか。また消費者が、思わず発信したくなるネタとはどんなものか。
 この連載では、『キーパーソン・マーケティング』(東洋経済新報社)を上梓した、慶應ビジネス・スクール准教授の山本晶氏が、アカデミックと実務の両面から、クチコミマーケティングに関するさまざまなヒントを綴っていく。
 第2回は、「インフルエンサー」(消費者などに大きな影響力を与える特別な人)の持つパワーと限界などについて(第1回「みんなが広めたくなる、クチコミの仕掛け方」は、こちら)。
影響力がある、とされる「インフルエンサー」は実際、クチコミが広がる過程において、どの程度の影響力があるのか(イオンモール幕張新都心店で、撮影:尾形文繁)

インフルエンサーは、本当に重要?

インフルエンサーをはじめとしたキーパーソンに注目が集まり、その発見方法に努力が向けられています。その大きな目的は、彼らをターゲットに広告やセールス・プロモーションを実施し、製品・サービス自体の普及やクチコミの伝播を期待するためです。

では、この特別な消費者に優先的に情報やサンプルを提供すれば、本当に爆発的な伝播が起こるのであろうか、という疑問が当然生じるでしょう。実は、このことについては議論が分かれており、いまだに結論が出ていないのです。

バレンテとデービスの二人の研究者は、オピニオン・リーダーをターゲティングすることによって、普及が加速することをシミュレーションで明らかにしています。また、グラッドウェルは、コネクター、メイブン、セールスマンの3タイプの特別な消費者が世界を形づくると記しています。

さらに、バラバシは『新ネットワーク思考』のなかで、一部の特別なノードである「ハブ」がネットワーク全体に及ぼす影響力を論じています。米国のバーソン-マーステラ(Burson-Marsteller)は「e-fluentials」がブランドの成否を握っているとし、ケラーとベリーは10%の消費者が残りの消費者の消費と生活を決めるとさえ論じています。これらはすべて一握りの特別なインフルエンサーこそが伝播のカギであることを主張しています。

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