みんなが広めたくなる、クチコミの仕掛け方

なぜ、あの人のクチコミは影響力があるのか?

次は、何がブームになるのか。もし事前にわかれば、ビジネスをする側にとってはこんなに楽なことはないのだが、実際は至難のワザだ。
 だが、実はそのヒントはある。例えば2013年、たちまち起こったダイオウイカのブーム。その原動力となったのは、原価「0円」のクチコミだ。SNSが台頭するなかで、特別な影響力を持つキーパーソンをどうつかまえるか、思わず発信したくなるネタとはどんなものか、といった視点は、ますます重要になっている。
 この連載では『キーパーソン・マーケティング』(東洋経済新報社)を上梓した、慶應ビジネス・スクール准教授の山本晶氏が、日々、マーケティングの現場から上がってくる現役ビジネスパーソンの悩みに、アカデミックと実務の両面からヒントを出す。
広告費をかけないで、クチコミで消費者が無料で製品やサービスを広めてくれるか。そう簡単ではないが、成功へのカギがある(4月に開店した、東京の「キラリナ京王吉祥寺」にて、撮影:風間仁一郎)

クチコミを広める人の視点で考えているか?

「マス広告の予算が確保できなくて」、「ソーシャルメディアが流行っているし」といった理由でクチコミ・マーケティングを成功させようとしても、おそらく壁にぶつかるでしょう。それは企業視点であり、消費者不在の発想だからです。

では、どうしたらうまくいくのでしょうか。ポイントは、クチコミを広める人の視点に立つことにあります。クチコミを発信する人は、何がうれしくてクチコミをするのか。どんなときに、どんな情報ならばクチコミを発信しようと思うのか。これを理解しようとすることが、成功するカギなのです。

まず、クチコミを発信する消費者の気持ちになってみましょう。クチコミをしても、まったく反応がもらえないなのは寂しいものです。あまり知られていない製品サービスについてのクチコミは同意や共感や尊敬が得られにくいでしょう。なので、クチコミ発信者が喜んで発信し、受信者から共感や尊敬を得られるようにするためには、その製品・サービスがある程度みんなから知られている必要性があります。

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