再調査の必要なし、理研の調査委が下した結論 退けられた小保方晴子氏の不服申立

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この新しい情報は、共著者である若山照彦山梨大学教授によってもたらされた。だが若山教授も、くだんの画像データは見ていないという。さらに、数理解析を行わずに目視で切り貼りしたため、データに整合性がなくなるなどの問題点も指摘された。

もう一点、捏造と認定されたテラトーマ画像は、学位論文の研究時に撮影されたとみられる「物理的刺激によってできたSTAP細胞によるもの」で、今回の論文の中核テーマである、弱酸性の液体に浸してできたSTAP細胞ではない。中核テーマを証明する写真を取り違えるなど、科学者でなくても信じることは難しい。

調査委員会でも、データ管理のずさんさとともに取り違えが起きるほどの類似性はないと指摘。また、テラトーマを取り出したのが2012年1月24日、免疫染色解析の実施が6月9日と時間があきすぎており、せっかく得た新しい画像を使わず、6月CELL誌、7月サイエンス誌に投稿している点も理解しがたいとしている。

なお残る論文の疑義

4月9日に大阪市内で会見を行った小保方晴子氏

4月8日に小保方氏が不服申立を行ってから再審査決定までの間に、代理人弁護士からたびたび追加書類が提出された。だが、4~5冊はあるとされた実験ノートなど、再調査をしなければならないほどの科学的な資料は提出されなかった。

「実験していないといわれることが耐えがたい」として代理人から5月7日に公開された小保方氏の実験ノートの一部は、科学者ではない一般人の目にも稚拙なものに見え、これでは過去のトレースができないであろうことは容易に想像できた。実際、テラトーマ画像の存在を示すノートの部分に日付がなく、確認ができないことが示されている。しかも、関連するページ周辺の日付をたどると、年の記載のない6月28日~10月まで、最短で見て4か月前後で使われたのは9ページにすぎない。

調査委員会の報告では不正は改ざんと捏造の2点だったが、調査されなかった点についてもネット上で複数の疑義が上がっている。差し替えられた新たな画像について、論文発表前の特許申請に使われた画像との類似が指摘されている。また、若山教授によって提示された、マウスの種の問題も解明されていない。理研のCDBでは独自に調査をする意向というが、その進捗度合いは不明だ。

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