STAP研究者と理研を待ち受ける厳しい審判 Nature論文の撤回は秒読み

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会見の冒頭で謝罪をする理化学研究所の首脳陣。中央が野依理事長

「このたび理研の研究者がNature誌で発表したSTAP細胞にかかわる研究論文に疑義があったことにつきまして、世間の多くの皆様にご迷惑とご心配をおかけしたことをお詫びしたいと思います」

2001年にノーベル化学賞を受賞した世界的な科学者で、理化学研究所理事長を務める野依良治氏が、よもやこのような謝罪をする事態になろうとは誰が予想しただろうか。

3月14日午後2時。主執筆者である小保方晴子氏が所属する理研は、東京駅近くの貸会議室において、数々の疑惑が生じているSTAP論文の疑義に関する中間報告を行った。会見の始まる3時間前になって当初予定にはなかった野依理事長の出席が決まり、冒頭のようなお詫びのコメントが述べられた。

センター長も論文を取り下げるよう勧める

1月末の「iPS細胞を超える発見」という華々しい発表から一転、STAP細胞に関する論文には多くの疑義が生じている。ことに3月9日ごろからネット上で話題になっていた、小保方氏の博士論文に使われていた画像が、異なる条件で行われた実験であるはずのNature誌論文に流用されていたことは、関係者にも大きな衝撃を与えた(小保方、笹井両氏は間違いとして差し替えの画像を用意していると説明している)。

3月10日、共同執筆者の若山照彦・山梨大学教授が論文取り下げを勧めたと公表したが、それに先立つ午前中には、理研発生・再生化学総合研究センターの竹市雅俊センター長が、理研に在籍する主要執筆者3人を呼び、「論文は撤回した方がいいと思う」と勧めている。小保方氏、共同研究者の笹井芳樹氏、丹羽仁史氏の3人はその場で同意し、14日には「理研外の研究者と取り下げの可能性を含め検討している」とのコメントも公表した(現時点ではハーバード大学のヴァカンティ教授の同意が得られていない)。

ネット上やメディアの騒ぎが大きくなる一方で動きの見えなかった理研だが、静観していたわけではなかった。2月13日にこの論文について、研究不正に関する疑義が通報されており、これを受けて18日には調査委員会を立ち上げ、20日から調査を開始した。調査委員会は、筑波にある理研基幹研究所上席研究員である石井俊輔氏を委員長に、理研研究者2名、外部研究者2名、弁護士の計6名で構成され、すでに小保方氏の3回を筆頭に、笹井氏、丹羽氏にもヒアリングを行っている。

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