STAP研究者と理研を待ち受ける厳しい審判 Nature論文の撤回は秒読み

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「研究論文の疑義に関する調査委員会」の石井俊輔委員長が調査の中間報告を行った

現時点でわかっている疑惑は6点。このうち画像に関する2点は、画像の圧縮過程で生じた歪みと不要な画像の削除忘れという説明がなされ、不正は認められないとされた。残る4点のうち、現時点では、他の論文からの剽窃については誰が書いても大差がなく、オリジナルな文章とはいえないとの見解。実験手順解説と実際の手順との齟齬は若山研究室から得た方法をよく理解しないままに書いたとされ、さほど大きな問題とは見られないようだ。

小保方氏以外の執筆者にも責任はある

だが、電気泳動画像の切り貼りと博士論文画像の流用と画像の操作は意図的と考えられても仕方ないものであり、単純なミスではすまされない。このようなずさんな論文を書いた主著者はもちろんだが、論文提出前に必ず読んで同意をしなければならないはずの共著者たちの責任もゼロではない。

理研側は「研究が分野横断的になり、多くの研究者、研究チームをまとめて全体の連携を図ることは大変な仕事である。これをになうには小保方氏は未熟で責任感も乏しい」という。だが年間1000万円の研究予算と1000万円の人件費をあずかるユニットリーダーを、「STAPという研究テーマのインパクト」だけで選んだ組織の責任もある。

一方で、ではSTAP細胞そのものがウソだったか、というとそれはまだわからない。ただ、ここまで論文の瑕疵が多いと、論文の信頼性はかなり低下しており、追試を行おうという研究者もなかなか現れなくなる懸念がある。そうなると、STAP細胞の存在の有無が解明されないままに闇に葬られるかもしれない。それを避けるために共同研究者の丹羽氏の研究チームが再現試験を行う予定だ。これを成功できるかどうかも、重要な焦点である。

記者からの質問は尽きることなく、14時から18時まで4時間ぶっ通しの会見となった(撮影:風間仁一郎)

 

小長 洋子 東洋経済 記者

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こなが ようこ / Yoko Konaga

バイオベンチャー・製薬担当。再生医療、受動喫煙問題にも関心。「バイオベンチャー列伝」シリーズ(週刊東洋経済eビジネス新書No.112、139、171、212)執筆。

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