小保方氏の博士学位、問われる早稲田の決断

取り消さなければ日本の科学の信用は失墜する

小保方氏のSTAP論文問題から、科学研究・教育のあり方にまで波紋が広がった(撮影:ヒラオカスタジオ)

理化学研究所のSTAP騒動が飛び火した格好で、渦中の小保方晴子氏が2011年に早稲田大学に提出した博士論文に不正疑惑が浮上したのが今年2月のこと。予備調査を経て3月に早稲田大学が設置した調査委員会から、7月17日、報告書が提出された。この内容がまた物議を醸し、早稲田大学全体の信用問題にまで発展している。

報告書は、小保方氏の博士論文の内容の妥当性、信憑性は著しく低く、「小保方氏に対して博士学位が授与されることは到底考えられなかった」とする一方で、「学位取り消しの該当性は認められない」と結論づけた。

早稲田大学理工学術院では小保方氏以外の論文にも"コピー&ペースト"による不正の疑いが浮上している。甘い結論は、小保方氏の博士号が取り消しになると、他論文についても調査・処分しなければならなくなり、収拾がつかなくなるとの判断が働いたからではないか、と疑われても仕方がない。

本人と周囲に不利益をもたらすことに配慮

報告書には「結論を出すにあたっては、一度学位を授与すると、それを前提とした社会的な関係が生じるために、学位の取り消しは本人と周囲に不利益をもたらすことに配慮しなければならない」とある。その一方、学位がなければ本来得る資格のなかったポストや科学研究費などの公費などの問題については、まったく、触れていない。

次ページ「取り消しに該当しない」理由
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 北朝鮮ニュース
  • 就職四季報プラスワン
  • 西村直人の乗り物見聞録
  • 貧困に喘ぐ女性の現実
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
『会社四季報』新春号を先取り!<br>波乱相場にも強い大健闘企業

企業業績の拡大に急ブレーキがかかっている。世界景気の減速や原燃料費・人件費の高騰が重荷だ。そうした逆風下での大健闘企業は? 東洋経済最新予想を基に、上方修正、最高益更新、連続増収増益など6ランキングで有望企業を一挙紹介。