ルネサス、黒字浮上だが「人員余剰感25%」 生産終了品の駆け込み需要が業績押し上げ

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5月9日、2014年3月期決算実績について説明する作田久男会長兼CEO(右)

2013年9月に産業革新機構などから1500億円の出資を仰ぎ、再建を進めるルネサスエレクトロニクス。半導体国内最大手の同社が5月9日に明らかにした増資後初の通期決算は、曲がりなりにも、構造改革が確実に進行していることを示す内容だった。

2014年3月期売上高は前期比6%増の8330億円となり、2010年4月にルネサステクノロジとNECエレクトロニクスが統合して以来、初の増収に転じた。営業利益は676億円で、前期の営業赤字232億円から急改善。最終赤字は52億円と水面下に留まったが、2013年3月期の1675億円の巨額赤字と比べると大幅に縮小した。最悪期を脱し、回復軌道を歩き始めたことを示す決算といえるだろう。

ただし、経営陣の表情は厳しい。「グローバル競争で戦うには、会社の信頼性と永続性がないと土俵にも上がれない。何としても営業利益率2ケタを達成する」と作田久男会長兼CEOは決算説明会の席上で強調した。

構造改革を遂行中

同社では今後1~2年内で大幅な工場統廃合を計画しており、2014年3月末には鶴岡工場(山形県)の12インチウエハを用いた製造ラインをソニーに譲渡したばかり。ほかにも甲府工場の閉鎖や、高崎工場5インチライン、滋賀工場8インチラインの閉鎖を決めている。生産部門の現場では、配置転換や生産ラインの移管に大わらわとなっているところだ。

拠点の統廃合、製品の絞り込みなどを柱とする事業構造改革は、まさに現在進行中。ともすると、社内を沈鬱な雰囲気が蔓延してもおかしくない状況だ。そうした難しい局面の中で、作田改革の前進を支えているのが、各種製品の販売増だ。

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