日本産業パートナーズ、再編担う黒子の正体

大手企業の事業再編で活躍、その強さの秘密は?

1月にNECからインターネット接続業者(ISP)・NECビッグローブの買収を発表したかと思えば2月にはソニーが切り出すパソコン事業の取得を表明。エレクトロニクス業界をめぐる大きな再編劇に立て続けに絡んだファンドがある。日本産業パートナーズ(JIP)だ。

JIPは新しいファンドというわけではない。オリンパスから携帯電話販売代理店大手のITXを買収し、青汁のキューサイや中古車オークション大手のJAAのMBO(経営陣による買収)を支援するなど、幅広い業種の案件にかかわっている(図)。

しかし、同社は自らを「黒子」と位置づけ取材を避けてきた。今回、そのトップが取材に応じ、ベールに包まれていたJIPの実像が明らかになった。

元興銀マンが一念発起

馬上英実(もうえ・ひでみ)氏(58)は2002年のJIP設立当初から代表取締役社長を務めている。

立ち上げのきっかけは、バブル崩壊後の不況に見舞われた1990年代後半。大企業の間では、「事業の選択と集中」が声高に叫ばれていた。日本興業銀行の法人営業畑を経て、当時、みずほ証券(旧興銀証券)に在籍していた馬上氏は、一つの事業アイデアを思いつく。「大企業がノンコア事業の切り離しを加速するのであれば、その動きを後押しする資金ニーズが増えるのではないか」。

この構想を実行に移すべく、大企業のカーブアウト(事業の切り出し)向けにファイナンスを手掛けるファンドの設立を当時の上司に掛け合った。ところが、反応は素っ気ないものだった。「そういった事業は子会社のサラリーマン経営だと成功しないよ」。それでも食い下がると逆提案された。「そんなに自信があるのなら自分でリスクを取って独立してみろ。だったら支援してやる」。

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