独裁に反旗「ベラルーシ」で今起きていること 直近の大統領選を受けて国民が立ち上がった

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ベラルーシでは今、独裁政権への抗議運動が巻き起こっている(写真:Sergey Ponomarev/The New York Times)

長髪で口髭を生やした『グッドモーニング・ベラルーシ!』の司会者だったデニス・ダディンスキー氏は、気さくな世間話が少しでも政治色を帯びたときに発せられるプロデューサーの神経質な声が、今でも耳に残っているという。

「デニス、注意しろ、注意だ、一線を越えないように!」

15年に及ぶテレビの仕事でダディンスキー氏が一線を越えたことはない。しかし、6月にタクシーに乗っていたとき、彼は実家近くのある店の外に並ぶ人々が殴られながら拘束されるのを目撃した。そしてインスタグラムに、機動隊は「愚かで非常識だ」と投稿した。

国営テレビの上司たちは翌日に彼を番組から外したが、ダディンスキー氏は後悔していないと主張する。「人が溺れていれば、『ふうむ、彼のところまでは100メートルある』などとは考えないものだ」と彼は話す。「服を脱いですぐに飛び込むだろう」。

1994年からの独裁政権

ヨーロッパにおける最も独裁的な政治システムが、ベラルーシ国内で長らく活躍してきたダディンスキー氏のような人々の手で解かれようとしている。1994年からこの国を支配してきたアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、妥協をやめ、戦い始めた何千ものベラルーシ人が先陣を切る大規模な人民蜂起に直面し、ぐらついている。

番組を外されたダディンスキー氏。後悔していないと主張する(写真Sergey Ponomarev/The New York Times)

ルカシェンコ大統領は「ヨーロッパ最後の独裁者」と言われており、東隣のロシア以上に個人の自由や政敵を抑圧するシステムを作り上げた。

しかし、旧ソ連を構成していた人口950万のベラルーシ共和国の大勢の中産階級や、世俗のエリート層にとって、このシステムは我慢できないものではなかった。政治の外にいる人々にとって、道路が整い、通りが清潔に保たれ、芝生はきれいに刈られ、ハイテク企業には優遇税制もあり、西側諸国への旅行も行きやすいのであれば、東欧の基準から見ればいい生活と言えたのだ。

そのバランスが今年のわずか何カ月かで崩壊した。新型コロナウイルス感染拡大で国内に閉じ込められた多くのベラルーシ国民は、かつては容易に見逃すことができたルカシェンコ大統領の支配や言葉の中の、非人道性にいら立ち始めたのだ。

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