仕事がつまらないと思う人は「見方」を知らない 自分を卑下しているとその通りになってしまう
多くの研究が、自分への思いやり(セルフ・コンパッション)が強い人は幸福感が強いことを発見した。過去の79件の研究を比較分析した2015年の研究では、総勢1万6000人超の被験者の回答から、「失敗や自分の欠点に直面したとき、自分に対して……前向きで思いやりのある態度」をとる人は、より幸せなことが明らかになった。
別の研究からは、自分を責め、問題をいつまでも引きずる傾向は、うつや不安の原因として、一般的な要素より強く働くことがわかった。トラウマになる出来事、精神疾患の家族歴、社会的地位の低さ、社会的支援の欠如といった、人生を台無しにしがちな一般的な要素よりも、自分への思いやりの強弱のほうが、気分の落ち込みや不安感の有無に強く影響したのである。
失敗や挫折に罪悪感を抱くほど不幸になる
つまり、自分に語りかける言葉を換えれば、自分を思いやる力を活用できるようになるというわけだ。私たちには次から次へと悩みごとが降りかかってくる。そうしたときに肝心なのは、自分の行動に責任を持ちつつも、罪悪感を過剰に抱かないことだ。罪悪感を抱くと、それから逃れようとしてさらなる注意散漫に陥りかねない。
自分を思いやり、失敗とストレスの悪循環を断ち切れば、回復力を高めることができる。自分を非難する頭の中の小さな声に耳を傾けていることに気づいたら、正しく対応しなければならない。その声を真に受けたり、反論したりするのではなく、成長の途上には必ず障害があることを思い出そう。練習せずに上達することはできず、練習には時として困難が伴う。
自分には意志力と自制心が足りないと信じ込んでいると、そのとおりになる。自分には誘惑に抵抗する力がない、生まれつき欠陥があると自分に言っていると、実際にそうなってしまう。ありがたいことに、自分が考えるすべてのことを信じる必要はない。人が無力になるのは、自分は無力だと思ったときだけだ。
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