マイナビが行っている2021年卒学生就職モニター調査から3〜6月までの就活生の活動状況を見ると、3月、4月はライブ形式や録画形式のWebセミナー(会社説明会)が多く、とくにライブ形式で実施された個別企業の会社説明会には3月に72.7%、4月に50.6%の学生が参加していた。Web面接も、4月が61.0%と最も高く、5月も53.8%という高い水準に達していた。
受けた面接に占めるWeb面接の割合を見ても、3月37.3%、4月87.9%、5月94.7%、6月69.9%という推移で、4月、5月に多くの就活生がWebでの面接を受けていることがわかる。
ちなみに、大手企業の面接がスタートする6月にWeb面接の比率が下がっているのは、緊急事態宣言が解除されたこともあるが、1次、2次面接はWebで実施しても、最終面接だけは対面型で実施した企業が多かったからではないかと考えられる。
先輩たちが体験しなかったオンライン就活に、否応もなく対応を迫られることになった2021卒の就活生。もちろん最初は戸惑いもあっただろうが、スマホ世代で動画コンテンツへの親しみもあったせいか、対応に戸惑う企業側に反して、就活生側はスムーズに受け入れていたようだ。
この就活のオンライン化は期せずして就活生に大きなメリットをもたらした。就活にかかる費用が昨年までと比べて激減したのだ。
交通費・宿泊費の減少が大きい
3〜6月までの4カ月間にかかった就活費用を昨年と今年で比較したものを図に示した。昨年は4カ月で平均10万円弱かかっていたが、今年は3万5000円程度と、おおよそ3分の1に激減している。内容については交通費・宿泊費と、スーツや書籍などの費用に分けてあるが、とりわけ差が大きいのが交通費・宿泊費の部分だ。
これまでは会社説明会や面接の会場に出かける必要があり、就活にかかる費用は、前向きに取り組むほど大きな負担になっていた。それだけに、就活生にとってはたいへんうれしい変化であったに違いない。その違いを住んでいるエリアごとに分けて整理したグラフを見ると、その他のエリア、つまり大都市圏以外に居住する就活生にとっては、昨年までと比較して劇的に費用負担が減っているのがわかる。
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