老いが怖い人は「老いなき世界」を知らない 120歳まで若く健康なままで生きられる方法

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長く元気でいられるようになる時代は近づいている。単に寿命が延びるだけでなく、新たに加わった年月を健康で生き生きと幸せに暮らせる時代だ。それは、皆が思っている以上に早く到来しようとしている。

22世紀が幕を開ける頃に122歳で亡くなる人がいたら、天寿を全うしたにせよ飛び抜けた長生きとはみなされなくなっている可能性がある。

120歳という年齢は、けっして例外的な異常値ではなく期待値となっていてもおかしくない。そうなればもはや「長寿」とは呼ばれず、ただの「普通の生涯」だ。そして私たちは、そうでなかった昔を悲しく振り返るのである。

「老化は避けて通れない」とする法則はない

そもそも寿命の上限とは何だろうか。そんなものがあるとは思わない。私と同じ分野にいる研究者も多くが同じ意見である。

老化は避けて通れないと定めた生物学の法則など存在しないのだ。存在するといい張る者がいたら、それは物を知らない証拠である。

死ぬことが珍しくなるような世界はまだはるかな未来の話だとしても、死を先へ先へと追いやれる時代は遠からぬところまで来ている。

むしろ、こうしたすべてが起きるのは必然だといっていい。長い健康寿命を謳歌できる人生はすでに射程圏内に入っている。

確かに、人類の歴史すべてがそれは無理だと告げているかに思える。だが、今世紀に入ってこの研究分野ではさまざまな解明が大きく進んだ。それを踏まえる限り、過去がどれだけ八方ふさがりであろうと何の参考にもならない。

健康寿命が大幅に延びることが、生物としての私たちにどんな意味をもつのか。それを理解するための一歩を踏み出そうとするだけでも、発想を根本から改めることが求められる。

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