街歩きから見えてきた「住宅業界」苦境の真因 消費者の選別化はより一層進む状況になる

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最近、分譲住宅などの立て看板の設置が目立つようになってきた(写真:筆者撮影)

いきなり個人的なことで恐縮だが、筆者は仕事柄、新しく完成した住宅や施工現場に興味があり、行く先々で工事の様子をチェックすることが習い性のようになっている。これまでは自宅周辺が中心だったが、緊急事態宣言以降はウォーキング(街歩き)が日課になり(市内全域や周辺自治体にも足を延ばしている)、チェックする機会と物件の数が以前に比べ格段に増えた。

そこで今回は新型コロナウイルス感染拡大以前と以降の施工現場の様子とその移り変わりを紹介すること、さらにその他の情報を提示することで住宅産業の現状を考察する。ちなみに、筆者の居住地はなぜか「本当に住みやすい街大賞2020」で1位となり、ブレイク中の埼玉県川口市の中心部だ。

なお、筆者が主にチェックしていることは施工現場なら整理整頓が行き届いた、キレイな施工現場であるかということ。また、夕方の時間帯にウォーキングをする際には、遅い時間まで作業が行われていないかも確認している。

完成建物や施工現場チェックでわかること

これらに問題がない施工現場の場合は、質の高い施工が段取りよく順調に進められ、それにより質の高い住宅が出来上がる可能性が高いこと、そして何よりそれを建築・販売する会社に高い信頼性があると考えられる。

筆者が「NG」と考える施工現場の様子。資材などがむき出しにされ見た目もよくない(写真:筆者撮影)

新築の住宅なら外観デザインはもちろん、建物の配置の仕方などを見ているが、仮にそれが分譲住宅なら採光や通風に配慮されているか、住みやすい配棟なのかを確認している。

こうしたチェックを通して、事業者がどのような会社か、住まい手のことを大切にしているのかが、ある程度判断できるわけだ。住宅取得を検討されている方にも、必ず行っていただきたいことである。

さて、ウォーキングを通じて川口市内中心部にある新築分譲戸建ての現場を複数箇所定点観測してきた。その中で強く垣間見えてきたのが販売状況の鈍化だ。「人気の街」だけに新型コロナの影響が色濃くなる前は、販売開始後早期に売れていたのだが、そうではなくなってきたのだ。

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