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“定期借地権方式お墓”および“レンタルお墓”

この“墓地不足”の解決策として、他に上げたいのが“定期借地権”方式のお墓である。よく“永代供養”などとうたわれるサービスがあるが、何百年もあとに、自分のことを何も知らないお坊さんに、ほかの無数の死者とともにまとめてお経をとなえてもらって、一体何が嬉しいのだろうか。むしろ、自分をかすかに覚えているかもしれない孫かひ孫の代まで忍んでもらえれば十分ではないだろうか。

私はそもそもお墓など不要で、できれば灰をハワイかプーケットの海にパーッと撒いてもらって、熱帯魚の餌になるかサンゴの原料になるか、明るく自由に太平洋を漂いたいが、どうしても墓に埋められるなら、“永代供養”なるオプション料金や、墓地の購入なんてまっぴらごめんである。

どうしても埋められるというなら、定期借地権という形で50年後は、次の世代の死者にそのお墓のスペースを譲る、という“譲り合いの精神”を、死後も発揮するつもりだ。もしくは死後、家族の傷がいえない20年くらいはお墓にいとどまり、その後は灰を散骨するなどの“死後の一時的仮住まい”としての“レンタルお墓サービス”にも大きな需要が見込めると確信している。

ただし驚いたことにお墓は一度できたらずっとあるのではなく、維持管理費を定期的に払わないといつの間にか権利が失われるケースもあるので、永遠の眠りとは名ばかりで、実質定期借地権形式と言えるのかもしれない。

ちなみに私がお墓ビジネスに参入するなら、一番マージンが高いのがこの集合永代供養サービスだと思う。なにせ何人増えたところで、別に集団お経を唱える数が増えるわけでもなく(というのも一人ひとり別々にお経を唱えるわけでもないため)、墓石がないので物理的なスペースが必要なわけでもない。お坊さんの数も別に増やさなくていいので、規模の経済が働くのだ。大きければ大きいほど、高額のお坊さんを招へいできるはずで、うまくやれば“Winner takes all”的な、かなりハイマージンな霊園経営をできるであろう。

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