――日本銀行のリポートは、オンライン授業導入に伴うコスト低下によって、5月の学習塾業界の授業料が低下したことを指摘しています。大学もリモート化の最前線ですが、教育の世界ではリモート化による経済のシュリンクがすでに起き始めているのでしょうか。
出口 オンライン授業にはそれなりのメリットがあり、みんなが賛成する。だが一方で、それは大学が通信制大学や放送大学になることを意味する。おそらく放送大学の授業料は一般の大学と比べれば、5分の1くらいだろう。つまり、先生方の給与も5分の1になるということだ。放送大学化の行く手には、はたして5分の1のお金で大学の研究教育の場を維持できるかどうかという問題が出てくるだろう。
さらに、オンライン授業では講義の巧拙がすぐにわかるので、たとえばある学問ではみんながこの先生の講義をコピーして聴けばいいということになってしまう。その先生の年収は予備校のカリスマ講師並みに上がるだろうが、それ以外の先生は全部職を失うことになりかねない。大事なのは、本当にこういったことをみんなが望んでいるかどうかということだ。
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