アメリカがコロナでボロボロでも沈まないワケ

独立記念日どころじゃないのになぜなのか?

アメリカ産木材を使ったバットでアピールするトランプ大統領。もはやトランプと反トランプで独立記念日を祝うどころではないのだが、この国の経済は別だ。それはなぜか(写真:ロイター/アフロ)

その昔、外国為替の世界には「ジブリの呪い」というアノマリー(理論などからは合理的な説明ができない現象)があった。日本テレビ系の「金曜ロードショー」でジブリのアニメ映画が放送されると、その直後に円高が急に進んだり、株安になったりするというものだ。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が、大真面目で日テレに問い合わせした、なんてこともあったと聞く。

この都市伝説の正体は今日では広く知られていて、金曜日の夜と言えばアメリカの雇用統計が公表されるタイミング。毎月第1金曜日の午後9時半に、「先月の非農業部門雇用者(NFP=Nonfarm Payroll)は××万人増!」といった報が入ると、それを材料にしてマーケットはしばしば大きく変動する。この時間帯はたまたま「金曜ロードショー」をやっていて、日テレはよくジブリ作品を放送する、というのが種明かしである。

4月以降の米雇用統計はぶっ飛びまくり

アメリカ経済は個人消費が約8割を占める。だから雇用のデータが重視されることになっている。さらにアメリカは、日本と違って人口が増加している国だ。だから雇用者数が毎月増えていかないと、失業率が悪化してしまう。ゆえに「前月に比して雇用者がどの程度増えたか?」が重視される。ちなみに農業部門の数値を取り除くのは、収穫期の短期外国人労働者などのブレをなくすためである。

アフターコロナのアメリカ経済においても、雇用統計はお騒がせの指標である。4月のそれは、「NFPがいきなり2000万人減!」という結果に皆がぶっ飛んだ。普段は数十万人の単位で増減しているので、グラフを描くとそこだけいびつな形になってしまう。さらに5月の雇用統計は、「またまた大幅減かと思ったら、今度はNFPが250万人の増加!」となって株価が急上昇した。

こうなるとマーケットは戦々恐々となる。6月の雇用統計は7月2日、木曜夜の発表となった。それというのも7月4日(土)が独立記念日なので、その前の金曜日が振り替え休日になったからだ。注目の7月2日午後9時半、NFPはまたまた480万人の増加と出た。2カ月連続のポジティブサプライズである。

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