コロナ後が見通せない人に知ってほしい全体像 激変する力学、債務・為替管理の国際協調カギに

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アフターコロナに何が起こりうるのかを展望する(デザイン:池田 梢)

コロナ終息後、世界各国の政府は経済運営において大きな変更を迫られそうだ。それは金利、為替、資本移動、課税、社会保障政策など広範囲にわたり、われわれのビジネスや国民生活の土台を大きく変えることになりかねない。

『週刊東洋経済』6月8日発売号は「コロナ経済入門を特集」。アフターコロナで、私たちが直面する現実を追っている。

具体的に、どんな力学が働くのか。そのポイントをまとめたのが、下の図解だ。

(外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

(出所)『週刊東洋経済』6月8日発売号(6月13日号)「コロナ経済入門」

これらの項目を見れば、まったく新しく登場する事象は少ないものの、コロナ前からあったことが加速したり、方向を変えたりすることがわかる。そうした力学がどう関係し合い、コロナ後の国際経済秩序を形作っていくのかを順に見ていこう。

世界全体で財政が急悪化

新型コロナが終息したら、各国政府はまず、国家の基盤ともいえる財政の持続可能性の改善に優先的に対応する必要が出てくる。

今回の危機では、「財政再建派と自認する人たちを含めて全員が大規模な財政出動に賛成した」(自民党の岸田文雄政調会長)。これは世界のほぼすべての政府に共通することであり、未知のウイルスによって国民の健康、生命が脅かされた緊急事態においては当然の対応と言える。

IMF(国際通貨基金)によると、コロナ対策に伴う世界の財政支出は4月の段階で3.3兆ドル(約350兆円)に及び、ほかに政府による融資・出資が1.8兆ドル(約190兆円)、債務保証などが2.7兆ドル(約290兆円)に上る。

大規模流行の第1波を乗り切った今後は、感染抑制と経済・社会の維持とのバランスがより重視されることになるだろう。だが、それでもコロナ長期化によって、上記の財政支出の金額がさらに膨らんでいくのは間違いない。

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