勉強嫌いな子にあえてゲームをさせても良い訳 子どもの「好き」を引き出すことがまずは大切

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「トマトアドベンチャー」では、立命館大学のコネクションを生かし、イタリアの専門家に登場してもらいました。家庭でも、SNSを駆使し、PTAやママ友・パパ友、学生時代の友人、職場の同僚や先輩などのネットワークを総動員すれば、案外身近にその道のプロが見つかるかもしれません。

ゲームのプログラミングに子どもが興味を持ち出したら、たまたまPTA役員の親戚にゲームデザイナーがいたとか、「子どもが小説家になりたいと言っている」とママ友会で話してみたら、夫が編集者というママがいたとか、そんな話だってありえます。

子どもたちが持つそれぞれの興味、関心を「仕事」にしている人は意外と少なくないはずです。根気よくツテを辿って「好き」を育てるきっかけが探せるのは、家庭教育ならでは。そういうマッチングがうまくいけば、子どもたちに本物の学びが提供できます。

「小説家になりたい子どもがいるので、一度『Zoom』でつないで、仕事について話をしてもらってもいいですか?」と依頼されたら、多くの人はイヤとは言わないでしょう。むしろ「喜んで教えてあげたい」と思ってくれるはずです。これぞ小学生パワー(笑)。その特権を思う存分使って、家庭学習を親子で目いっぱい面白がってください。

子どもの「好き」を磨く最善の方法

『子どもの未来が変わる 英語の教科書』(講談社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

そして、子どもが「好き」を追求するモチベーションを高めたいなら、保護者自身が見本となるのがいちばんです。保護者が何事にも興味を示さず、仕事と家事に追われて1日を終えているのに、子どもにだけ「マンガとゲームはいいかげんにしなさい。何か新しいことにもっと興味を持ちなさい!」と言っても、説得力ゼロです。

父親が慣れないボルダリングに挑戦して全身アザだらけになったり、母親が博物館の学芸員の資格を取ろうと勉強したりしていたら、子どもだって「パパもママも楽しそう。僕も何かしたい!」「私も一緒にやってみたい!」と自然に思えるはず。学校、塾、自宅の往復では決して得られない体験を、保護者が子どもたちと一緒に楽しんでください。

(構成:井上健二)

正頭 英和 立命館小学校教諭

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しょうとう ひでかず / Hidekazu Shoto

1983年大阪府生まれ。関西外国語大学外国語学部卒業。関西大学大学院修了(外国語教育学修士)。京都市立公立中学校、立命館中学校・高等学校を経て現職。英語科教諭として指導をしながら、ICT教育部長としてオンライン授業の仕組み作りも担う。2019年、人気ゲーム『マインクラフト』を活用した問題解決型授業が評価され、「教育界のノーベル賞」と呼ばれる「Global Teacher Prize」のトップ10に選出される。AI時代における教育の常識のシフトチェンジを提言する『子どもの未来が変わる 英語の教科書』(講談社)が話題。

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