コロナ下の留学にオセアニア2カ国が熱い理由 「留学のニューノーマル」の具体像を探る
一方、「将来について、あなたが不安に思っていることは何ですか?」という質問に関しては、全体の 73%が「進学」「就職・転職」と回答しています。
留学生の抱える「海外で学びたい」という強い意志と、将来に対する不安が混ざり合ったデリケートな心境が浮き彫りになったといえます。アンケート結果をまとめると、経済面や就職・転職に不安があるからこそ、コロナ後も留学に対して前向きなのだ、と考えられます。
こうした状況を受け、ICCコンサルタンツは4月から「オンライン高校留学」という、高校留学のための留学準備コースを開講。「渡航できないから留学をあきらめるのではなく、将来のために成長したいという留学生の強い気持ちを知り、新たにオンライン留学を提供する後押しになりました」(広報の万出恵氏)。
マレーシア経由でアメリカの大学へ
同社は、高等教育機関に関して、オンライン大学留学の活用も含め、2021年に200人を送り出すことを目標にしています。中でも力を入れているのが、オーストラリアやマレーシアのオンライン留学です。
6月には、オーストラリアのトップ校である「Group of 8」全校が参加したオンライン留学フェアを実施。出願希望者も順調に出てきているそうです。
また、意外かもしれませんが、マレーシアの大学は近年、留学希望者が増加しているといいます。「受け入れ時期が年に複数回(3〜4回以上)あること、日本との時差が小さいこと、デュアルディグリーやアメリカ大学編入プログラムなどを使ってアメリカやイギリス、オーストラリアの大学に編入できる制度が充実していることが挙げられます」(万出氏)。
例えば、マレーシアの大学でオンライン留学を2年間経験して、国の行き来が再開してからアメリカの大学に入学するという方法は、アメリカが留学生に対する学生ビザの発給に関してネガティブな動きがある中で、解決策の1つとなりそうです。
同社はアフターコロナを見据えた学生向けオンラインプロジェクト研修として、課題解決をテーマにしたコンテンツを準備しています。「マレーシア人が必要とするハラルのアプリ開発について」「日本をイスラム圏の人にとって魅力的な観光地にするためにはどうすればよいか」など、グローバルかつ具体的な課題に取り組むプロジェクトとなっています。
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